床矯正とは何かを解説!矯正歯科で選ばれる理由と装置の種類

「子どもの歯並びがガタガタで心配」「矯正っていつから始めるべき?」「痛みや費用が不安」そんな悩みを抱えていませんか?

特に床矯正は、永久歯が生えそろう前の成長期に効果を発揮するといわれており、早期の対応が将来の抜歯やワイヤー矯正の回避にもつながる可能性があります。

実際、床矯正は歯列のスペース不足をあごの拡大によって根本から改善できる治療法です。しかも装置は取り外し可能で、食事や歯みがきも普段通りできるというメリットもあります。しかし一方で、装着時間の管理が必要だったり、効果の出方に個人差があったりと、誤解や不安を招きやすいのも事実です。

この記事では、床矯正とは何かという基礎をはじめ、矯正治療を受けるにあたって知っておくべきポイントを中心に詳しくまとめました。

小児矯正・床矯正・歯科矯正・マウスピース矯正ならさいわいデンタルクリニック札幌大曲

さいわいデンタルクリニック札幌大曲は、患者様一人ひとりの笑顔を大切にし、その笑顔が持続することを目標としています。信頼関係の構築と妥協のない治療を約束しており、患者様の負担を軽減するために最新の設備を導入し、予約時間通りの診察を心がけています。
クリニックでは、一般歯科、口腔外科、小児歯科、矯正歯科、審美治療、予防歯科など幅広い診療科目をご提供しており、患者様の様々なニーズに応えることが可能です。特に、痛みの少ない治療、ホワイトニング、小児矯正など、患者様の快適さを重視した治療法をご提供しています。
患者様の健康と笑顔を守るために、スタッフ一同が全力でサポートいたします。

さいわいデンタルクリニック札幌大曲
院名さいわいデンタルクリニック札幌大曲
住所〒061-1278北海道北広島市大曲幸町6丁目1 インターヴィレッジ大曲
電話011-375-7653

WEB予約

床矯正の基本情報と定義

床矯正とは何か?意味・定義をわかりやすく解説

床矯正とは、主に子どもの成長期に行われる歯列矯正治療の一つで、取り外し可能な矯正装置(床装置)を用いて顎の骨を広げ、永久歯が正しく並ぶスペースを確保する治療方法です。従来のワイヤー矯正のように歯を動かすのではなく、あごの骨自体の成長を利用して歯並びを整えていくという特徴があります。

この治療法は、永久歯が生えそろう前の混合歯列期(6〜12歳前後)に行われることが多く、子どもの骨の柔軟性や成長のタイミングを活かして矯正を進められるため、自然で負担の少ない方法として支持されています。成長に合わせた「予防的な治療」としての役割も大きく、将来的にワイヤー矯正を回避できる可能性もあります。

床矯正の基本的な特徴と適応年齢、利点などを表にまとめました。

項目 内容
治療対象年齢 6〜12歳(混合歯列期)
装置の特徴 取り外し可能なプラスチック製+金属ネジの装置
主な目的 顎の拡大と永久歯の萌出スペースの確保
使用時間の目安 1日14〜20時間程度(医院によって異なる)
利点 成長に合わせた自然な拡大、非抜歯矯正が可能
注意点 装着を怠ると効果が出にくい、本人の協力が必要
保険適用 原則として自費診療(自由診療)

顎を拡げることで歯が並ぶスペースを確保するだけでなく、呼吸や発音、姿勢にも良い影響を与えることが報告されています。結果として、「顔立ちが整った」「発音が良くなった」「姿勢がよくなった」などの保護者の声も多く、単なる歯並び矯正にとどまらない幅広いメリットがあるのが床矯正の特徴です。

床矯正とワイヤー矯正・マウスピース矯正の違いとは

床矯正とよく比較されるのが、ワイヤー矯正やマウスピース矯正といった他の矯正治療法です。それぞれの治療法には目的や適応年齢、使用装置、治療期間、費用などに違いがあり、患者の年齢や歯列状態によって適切な方法を選ぶ必要があります。

まず、床矯正は「顎の骨の成長を促す治療」であり、歯を直接動かすことはありません。一方でワイヤー矯正やマウスピース矯正は「歯そのものを動かす治療」であり、永久歯が生え揃ってから行うことが一般的です。

それぞれの治療方法の特徴をまとめると以下の通りです。

項目 床矯正 ワイヤー矯正 マウスピース矯正
対象年齢 主に子ども(6〜12歳) 中高生〜成人 中高生〜成人
装置の特徴 取り外し可、装着時間に依存 取り外し不可、常時装着 透明で目立たない、取り外し可
主な目的 顎の成長を促し歯のスペース確保 歯を動かして並べる 歯を動かして並べる
治療期間 半年〜2年程度 2〜3年 1.5〜2年
メリット 非抜歯矯正、顎骨形成が可能 確実な歯列移動が可能 見た目が自然、痛みが少ない
デメリット 自己管理が必要、本人の協力度依存 装置が目立つ、食事に不便 装着時間を守らないと効果が低下する

このように、床矯正は「成長途中の子ども」に特化した方法で、歯が並ぶための土台を作る段階に適しています。一方、ワイヤー矯正やマウスピース矯正は「歯が並ぶスペースはあるが整っていない状態」に対しての治療です。

また、顔立ちへの影響にも違いがあります。床矯正は骨格の発達にも関与するため、「顔が変わった」「面長が改善された」などと実感するケースもあります。一方、ワイヤー矯正やマウスピース矯正は基本的に歯の位置だけを調整するため、顔つきへの影響は限定的です。

つまり、目的や効果の範囲が異なるため、単純な比較ではなく「どの段階で何を治したいか」によって治療方法を選ぶことが大切です。

床矯正の仕組み!顎を拡げて歯列を整える構造と原理

床矯正の最大の特徴は、「あごの骨を広げる」という点にあります。この治療では、床装置と呼ばれる取り外し可能なプレート状の矯正器具を用い、装置内のネジを少しずつ回して装置を拡張し、上下の顎の骨幅を横に広げていきます。

この原理は「歯を動かす」のではなく「骨を成長させてスペースを作る」ため、歯を抜かずに矯正ができる可能性を高めます。これにより、永久歯が正しく生える余地ができ、自然と歯列が整う仕組みです。

床装置は以下のような構造と働きを持っています。

構成パーツ 機能概要
プラスチック床 あごにフィットして圧力を分散させる
拡大ネジ 微調整で装置を拡大、顎を少しずつ拡張
クラスプ 奥歯に引っ掛けて装置を安定させる
バネ 特定の歯に圧力を加え、位置を整える

この装置を使い、毎日14〜20時間程度装着することで少しずつ顎の幅を広げ、歯が自然に並ぶ環境を作ります。成長期の子どもにとって、骨が柔らかく適応力があるため、比較的スムーズに効果が得られることが多いです。

ただし、床矯正の成功にはいくつかの条件があります。特に装着時間の厳守と定期的な通院によるネジ調整は不可欠です。装置を正しく使用できない場合、期待する効果が得られず、矯正計画全体に悪影響を与えることがあります。

また、床矯正が向いていないケースも存在します。すでに顎の骨が固くなっている大人、または歯列不正の程度が高度で骨格的な異常を伴う場合は、ワイヤー矯正や外科的矯正が必要となることもあります。

床矯正が効果的なケースの例

  • 乳歯と永久歯が混在する6〜12歳の子ども
  • 顎の幅が狭く、前歯が並ぶスペースがない場合
  • 顎の成長をコントロールすることで歯列不正を防げると診断されたケース

逆に適応外となる例

  • 顎の成長が止まった大人(ただし一部症例除く)
  • 骨格的な上顎前突・下顎前突などの重度症状
  • 歯列だけでなく咬合面に複雑な問題がある症例

このように床矯正は、正しいタイミングと適切な診断が揃って初めて高い効果が期待できる治療法です。専門の矯正歯科医院での精密検査とカウンセリングを経て、最適な治療計画を立てることが重要です。装置の管理や本人の装着協力度も成功の鍵を握るため、保護者との連携が成功に直結する重要な要素となります。

対象年齢・開始時期は?

床矯正は何歳から始めるべきか?理想の開始タイミング

床矯正を検討する際、最も多く寄せられる疑問の一つが「何歳から始めるのがベストなのか」という開始時期の問題です。結論から言えば、床矯正の理想的な開始時期は6歳から8歳の「混合歯列期」の早期です。これは乳歯と永久歯が混在する時期であり、顎の成長を促しながら歯列のスペースを確保する絶好のタイミングといえます。

特にこの時期に床矯正を導入することで、将来的にワイヤー矯正や抜歯を回避できる可能性が高まります。床矯正は、固定式の矯正器具ではなく、取り外しが可能な装置を使って、顎の骨の成長を自然に促進する治療法です。そのため、成長期にある子供にとって非常に効果的です。成長段階での介入が、歯列の幅を広げ、自然な噛み合わせを形成する重要な鍵となります。

一方で、9歳を過ぎると顎の成長スピードが落ち着き始めるため、治療効果に差が出ることもあります。このため、歯科医院では6歳前後からの矯正相談を勧めているケースが多く見られます。以下に目安となる床矯正開始年齢と特徴をまとめました。

年齢 発育段階の特徴 床矯正の効果 注意点
4〜5歳 乳歯列完成期 原則非推奨(早すぎ) 顎の成長が読めず、治療が長期化しやすい
6〜8歳 混合歯列期初期 顎の拡大効果が最も高い 装着時間の自己管理が重要
9〜10歳 混合歯列期後期 顎拡大の可能性は残る 状況により難易度が上がる
11歳以降 永久歯列期 顎成長がほぼ終了 ワイヤー矯正への移行が一般的

さらに、医院によっては治療開始前にCTやパノラマレントゲンによる詳細な診断を行い、歯列や顎の形状、成長予測に基づいて最適な治療計画を提案してくれます。早期の相談と専門的な判断が、最良の結果につながるといえるでしょう。

混合歯列期とは?永久歯と乳歯の関係と適切な治療開始年齢

混合歯列期とは、乳歯と永久歯が共存している時期を指し、一般的に6歳頃から12歳頃まで続きます。この時期における歯列の変化と顎の成長は、矯正治療において極めて重要な意味を持ちます。特に床矯正においては、この時期が最も治療効果を得やすいとされているため、開始タイミングの判断材料として重要です。

混合歯列期における歯の入れ替わりの順序とタイミングは、顎の発達や歯の並び方に大きな影響を与えます。以下に代表的な永久歯の萌出時期を一覧にまとめます。

永久歯の名称 萌出時期(平均) 乳歯の脱落時期
第一大臼歯 6歳前後 乳歯なし(初めての永久歯)
中切歯(前歯) 6〜7歳 同時期に乳歯脱落
側切歯 7〜8歳 前歯の後に脱落
第一小臼歯 9〜10歳 乳犬歯や乳臼歯の後
犬歯 10〜11歳 乳犬歯が抜けた後
第二小臼歯 10〜12歳 乳臼歯の最後

特に混合歯列期初期(6〜8歳)は、顎骨の柔軟性が高く、床矯正装置による拡大効果が出やすいことが臨床的にも報告されています。たとえば、上顎を横に広げる「拡大床」や、前方へ成長を促す「バイオネーター」など、年齢や症状に応じて適切な装置が選択されます。

この時期の治療は単なる歯並びの矯正にとどまらず、正しい咬合(かみ合わせ)の獲得、発音の改善、顎関節の安定化、顔貌バランスの形成にも影響を与える可能性があります。逆に言えば、混合歯列期を逃してしまうと、装置の効果が減少したり、治療期間が延びたりするリスクもあります。

成人の床矯正!大人でもできる?

大人には効果があるのか?

成人でも床矯正による治療は可能です。しかし、子供と比較して骨格の柔軟性や成長の余地が少ないため、効果の現れ方には差があります。特に大人の場合は、装置の働きで顎を「拡大」するというよりも、「歯列の移動」や「歯の傾斜」を主な目的とした適応が中心になります。

床矯正は取り外し可能な装置を使い、ネジの力で歯列の幅を広げてスペースを確保する仕組みです。大人の骨格はすでに完成しているため、骨を拡大するよりも、歯を支える歯槽骨の中で歯を移動させることに主眼が置かれます。

以下のような悩みを持つ大人には床矯正が検討されることがあります。

  • 前歯が少しだけガタついている
  • 顎の幅がやや狭く、歯列に軽度の乱れがある
  • 抜歯を避けたい、なるべく負担の少ない矯正を希望している
  • 長期間の固定装置が生活に支障をきたす可能性がある

ただし、歯並びの改善効果が限定的な場合もあるため、必ず専門の矯正歯科医師による精密な診断が求められます。

以下は、床矯正が大人に効果的なケースとそうでないケースを比較したものです。

症例のタイプ 床矯正が有効な可能性 備考
軽度の歯列の乱れ 高い 歯の傾斜調整や軽いスペース確保に有効
顎の横幅がやや狭い 中程度 顎骨の成長が止まっているため限界がある
骨格性の出っ歯・受け口 低い 外科的矯正やワイヤー矯正との併用が必要
抜歯せず矯正したい希望が強い 高い 非抜歯治療の選択肢として提案されやすい
顎関節症や咬合不良が深刻な症例 低い 高度な咬合調整が必要で床矯正単独は難しい

また、成人の床矯正では毎日の装着時間が非常に重要です。通常は1日14時間以上の装着が必要とされており、就寝時を含めてできる限り長時間装着することが治療効果を左右します。

成人矯正における床矯正の限界と他矯正との併用可能性

床矯正が成人にも一定の効果をもたらすことは確かですが、限界を正しく理解しておくことは非常に重要です。特に「骨格的な成長がすでに完了している大人」には、顎の拡大といった大きな構造的変化を期待することはできません。

床矯正の最大の利点は、取り外しができること、痛みが比較的少ないこと、目立ちにくいことなどですが、大人に対しては次のような制約が存在します。

  1. 顎骨がすでに硬く、拡大が難しい
  2. 歯の移動速度が遅いため、治療期間が延びる傾向にある
  3. 床装置では細かい歯の移動(前後や回転)が難しいため、微調整には限界がある

こうした限界を補う手段として、「他の矯正法との併用」が有効とされています。

組み合わせ矯正法 目的 特徴
ワイヤー矯正+床矯正 拡大+細かな歯の移動 大人の歯列全体の精密調整に対応可能
マウスピース矯正+床矯正 拡大後の歯並びの仕上げ調整 見た目を気にする患者に人気の組み合わせ
外科矯正+床矯正 骨格的問題への対応と歯列調整 中〜重度の出っ歯・受け口などに対応

上記のような組み合わせにより、床矯正単体では得られない結果を引き出すことが可能になります。実際、多くの矯正歯科医院では、患者の状態に応じて柔軟に治療法を組み合わせる方針を採用しています。

なお、併用する矯正法によっては費用が高額になるケースもあるため、事前に複数の矯正歯科でのセカンドオピニオンやカウンセリングを受けることをおすすめします。

また、併用矯正は以下のような特徴をもつ方に向いています。

  • 比較的軽度〜中程度の歯列不正で治療期間を短縮したい方
  • 仕事や人前に出る機会が多く、見た目を重視する方
  • 費用よりも治療結果を重視する方

このように、床矯正は単独では効果が限定される場合があるものの、他の矯正法との併用によって、大人でもより確実かつ審美的な治療効果を得られる選択肢となり得ます。

床矯正の目的・効果・変化

床矯正の目的とは?顎の拡大と歯並び改善の相関

床矯正は、成長期の子どもを中心に実施される歯科矯正の一種で、取り外し可能な装置を用いて上顎や下顎の骨格を物理的に広げることを目的とします。歯列不正の多くは、歯の大きさと顎の大きさのバランスの崩れから生じるため、歯が生えそろうスペースを確保するために顎を拡大するアプローチは、根本的な改善に繋がります。

床矯正の最大の目的は、歯並びの改善と噛み合わせの正常化です。特に、以下のような症状に適応されることが多くあります。

症状または状態 床矯正による対応
歯列の凸凹 顎の幅を広げることで歯が並ぶスペースを確保
出っ歯 上顎の前方突出を抑制または下顎の拡大を促す
噛み合わせのズレ 上下顎の幅や位置を整え噛み合わせを改善
顎の発育不足 成長期に骨格へ穏やかな刺激を与えて誘導

顎の拡大によって得られる変化は、歯列のスペース確保だけでなく、舌の位置改善や口呼吸の解消にもつながります。舌は本来、上顎に吸着するように置かれることで自然な発音や呼吸を助けますが、狭い顎ではその機能が損なわれやすく、結果的に口呼吸や滑舌の悪化、いびきの原因にもなります。床矯正はこれらのリスクを回避する意味でも非常に効果的です。

また、永久歯の抜歯を回避する方法としても注目されており、特に乳歯と永久歯の交換時期(混合歯列期)に始めることで、自然な成長とともにバランスの取れた歯列に誘導することが可能になります。矯正開始のタイミングによっては、ワイヤー矯正などの本格的な処置を回避できるケースもあります。

顎の拡大による骨格的な変化は、歯の移動と比較して体への負担が少なく、特に小児期に適しているといえます。成長のピークに合わせた設計と適用が可能であるため、小児矯正の現場では第一選択肢として広く採用されています。

床矯正で顔が変わるって本当?骨格・筋肉への影響

床矯正に取り組む保護者や本人がよく気にする疑問の一つに「顔つきが変わるのか?」というものがあります。結論からいえば、顔貌の印象に変化が見られることは多く、これは顎の拡大が骨格全体のバランスに直接作用するためです。

まず理解すべきは、上顎や下顎の発育が顔面全体の印象を左右する要素であるということです。狭い上顎は鼻腔の圧迫、頬の痩せこけた印象、口元の突出といった見た目に関わる問題を引き起こすことが多いのです。

床矯正によって変化しやすい顔貌要素一覧

顔面部位 変化内容例
頬の張り 顎の拡大により頬部が自然にふくらむ
鼻の下の印象 上顎の拡大によって人中が短く見える
下顎の輪郭 後退していた下顎が前方へ誘導される

床矯正は単なる審美目的ではなく、顎顔面の構造的バランスを整えることで、長期的に健康かつ機能的な顔立ちに導く作用を持つといえるでしょう。そのため、床矯正を通じて顔が変わったという実感は単なる感覚ではなく、構造変化による確かな結果なのです。

出っ歯や口呼吸の改善にも効果があるのか?

出っ歯(上顎前突)や口呼吸は、多くの子どもが抱える代表的な口腔問題です。床矯正はこれらの症状に対しても高い効果が期待されており、早期に適用することで症状の進行を抑制するだけでなく、原因からの改善が図れます。

出っ歯の場合、上顎が過剰に成長していたり、下顎の発育が不足しているケースが多くみられます。床矯正では下顎の前方成長を促したり、上顎の拡大方向を調整することで、上下のバランスを取ることが可能です。

口呼吸は、顎の狭窄により舌の位置が下がり、自然な鼻呼吸ができなくなっている場合に発生します。床矯正により顎のスペースを拡大し、舌の正しい位置を確保することで鼻呼吸を習慣化できるのです。

床矯正による出っ歯・口呼吸の改善メカニズム

改善対象 根本原因 床矯正によるアプローチ
出っ歯 上下顎の骨格不調和 上顎の拡大と下顎の成長誘導
口呼吸 狭い顎と舌のスペース不足 顎の拡大で舌の位置を自然に誘導
舌癖 舌の置き場所がない 舌を上顎に正しく乗せる空間を確保
滑舌の不明瞭 舌の動き制限と口唇力の低下 筋機能訓練と組み合わせて改善

さらに重要なのは、口呼吸を改善することでアレルギー性鼻炎や中耳炎、睡眠の質にも好影響があるとする報告もあります。呼吸様式が整うことで、全身の健康状態にも波及効果があるのです。

こうした観点から、床矯正は単に歯列を美しく整えるだけではなく、「全身の機能を正しい方向へ導く医療介入」としての価値があるといえます。

装置の種類・構造・装着方法

床矯正装置の種類!ネジ式・拡大床・アクチベーター

床矯正治療に使用される装置には、目的や構造、作用する顎の部位に応じて複数の種類があります。特に子どもに対する歯列矯正では、成長段階に合わせて適切な床矯正装置を選ぶことが、歯並びや噛み合わせの改善成功に直結します。現在、主に用いられているのが「ネジ式床矯正装置」「拡大床装置」「アクチベーター装置」の3種類です。それぞれの装置は異なるメカニズムで作用し、対象となる症例や年齢層、効果の現れ方にも違いがあります。

まずネジ式床矯正装置は、装置中央にあるスクリュー(ネジ)を定期的に調整することで、徐々に顎を広げていく構造です。特に顎の骨が柔らかく発育途中にある小児期の患者に適しており、永久歯が生えそろうスペースを確保する目的で使用されることが多く、適切な管理と計画的な回転によって歯列のアーチ全体を自然に拡大できます。

拡大床装置は、ネジ式と構造が似ているものの、上顎だけでなく下顎にも適用可能で、前後左右への拡大が可能です。この装置は特に「上下顎の幅の不調和」や「交叉咬合」の改善に用いられます。厚みのあるアクリル床が歯の内側に密着するため、舌の圧力を誘導する効果もあり、舌癖の矯正にも一定の効果があるとされています。

一方、アクチベーターは筋機能矯正装置に分類され、下顎の前方誘導に特化した装置です。主に下顎の成長不足が原因の「上顎前突(出っ歯)」に用いられ、装着時に咬合位置を前方にずらし、咀嚼筋や顎の成長を促します。アクチベーターは装着中に咀嚼や発音が制限されることがあるため、主に就寝時に使用するタイプが多く、使用時間と成果の相関が重要です。

以下に、それぞれの装置の特徴と適応対象を整理しました。

装置名 主な目的 主な構造要素 適応症例 使用対象年齢
ネジ式床矯正装置 顎幅の拡大 スクリュー・アクリル床・バネ 歯列不正、叢生 6歳〜12歳前後
拡大床装置 上下顎の拡大、スペース確保 大型アクリル床・広範囲のバネ 交叉咬合、骨格不調和 小児〜思春期
アクチベーター 下顎の前方誘導、筋機能誘導 全体一体構造・顎誘導部分 出っ歯、顎の後退、姿勢改善 8歳〜12歳

これらの床矯正装置は、いずれも取り外しが可能なため、清掃しやすく衛生的という利点もあります。正しい使用時間と定期的な調整を守ることで、安全かつ効果的に歯並びや骨格形成を進められる点が共通しています。

床矯正はどのくらい装着する?1日何時間が目安か

床矯正装置の効果を最大限に引き出すためには、装着時間の管理が非常に重要です。多くの保護者が疑問に思うのが「一日に何時間つければいいのか」「夜だけで効果があるのか」という点です。結論から言うと、床矯正の装置は基本的に一日12〜16時間の装着が推奨されており、短すぎる装着時間では矯正の効果が十分に得られないリスクがあります。

床矯正は、ワイヤー矯正のように24時間装着する固定式とは異なり、取り外し可能な可撤式装置であるため、使用者の協力度によって結果に差が出やすいのが特徴です。特に、成長期の子どもは生活習慣が一定でないため、計画的に装着時間を確保することが治療効果のカギを握ります。

以下に、装着時間と治療成果の相関関係を示します。

1日あたりの装着時間 期待できる効果 備考
4〜6時間未満 効果がほとんど出ない 矯正効果の発現が困難
8〜10時間程度 ごくわずかに効果が見られる 装置に慣れる初期段階としては可
12〜14時間 標準的な改善効果を期待できる 推奨される装着時間
16時間以上 効果が早く現れやすく安定しやすい 顎の拡大スピードが明確に向上

ただし、単に時間だけを満たせばよいわけではありません。重要なのは「継続的な装着」です。日によって装着時間に大きなバラつきがあると、顎の骨の形成が不安定になり、後戻りや効果の減少を招く可能性があります。

加えて、就寝中の装着は非常に効果的とされています。睡眠中は口の中の動きが少なく、装置が顎に安定的に圧力を与えることができるため、特に夜間を中心に装着時間を確保するのが理想的です。学校や塾の時間帯には外してもよいとされることが多いですが、放課後や自宅にいる時間、テレビを観ている時間なども有効活用することで、合計時間を確保できます。

また、装着時間が不十分である場合は、次のような影響が出る可能性があります。

  • 顎の拡大が予定より遅れる
  • 矯正装置が歯にフィットしなくなる
  • 痛みや違和感が再発する
  • 定期通院のたびに調整が増える
  • トータルの治療期間が延びる

矯正歯科では、装着時間を記録するシートを配布している医院も多く、装着習慣の可視化によって家族全体で取り組む意識を高める工夫がなされています。

装置の管理や効果を最大化するには、単なる時間管理にとどまらず、生活リズムへの適合と保護者のフォローが必要不可欠です。特に小学生や中学生のお子さまの場合は、毎日のスケジュールに合わせた「装着ルーティン」を構築することで、習慣化が進みやすくなります。

まとめ

床矯正とは、成長期の子どもを中心に、歯並びや噛み合わせを根本から改善するための矯正治療法です。装置を使ってあごの骨を拡大し、歯列のスペース不足を解消することにより、将来的な抜歯やワイヤー矯正の回避が期待できます。特に混合歯列期と呼ばれる乳歯と永久歯が混在する時期に始めることで、最も自然な形で歯列を整えることが可能です。

治療には、ネジ式や拡大床、アクチベーターといった複数の装置があり、それぞれに構造や作用の違いがあります。たとえばネジ式は定期的な調整により横方向のあごの拡大を促し、アクチベーターは下あごの成長を前方に誘導するなど、症状に応じて適切な選択が重要です。

一方で、取り外し可能な装置は自由度が高い分、装着時間や管理の甘さによる失敗リスクもあります。平均的には一日12時間以上の装着が必要とされており、特に夜間の使用が効果的とされます。継続的に装着することで、約3ヶ月から6ヶ月ほどで目に見える変化が出始め、1年〜2年で安定した歯列を得られるケースもあります。

将来のお子さまの歯列や健康なあごの発育を守るために、今こそ正しい情報と知識を持つことが大切です。まずは信頼できる歯科医師による診断を受け、最適な時期と方法を見極めてみてください。

小児矯正・床矯正・歯科矯正・マウスピース矯正ならさいわいデンタルクリニック札幌大曲

さいわいデンタルクリニック札幌大曲は、患者様一人ひとりの笑顔を大切にし、その笑顔が持続することを目標としています。信頼関係の構築と妥協のない治療を約束しており、患者様の負担を軽減するために最新の設備を導入し、予約時間通りの診察を心がけています。
クリニックでは、一般歯科、口腔外科、小児歯科、矯正歯科、審美治療、予防歯科など幅広い診療科目をご提供しており、患者様の様々なニーズに応えることが可能です。特に、痛みの少ない治療、ホワイトニング、小児矯正など、患者様の快適さを重視した治療法をご提供しています。
患者様の健康と笑顔を守るために、スタッフ一同が全力でサポートいたします。

さいわいデンタルクリニック札幌大曲
院名さいわいデンタルクリニック札幌大曲
住所〒061-1278北海道北広島市大曲幸町6丁目1 インターヴィレッジ大曲
電話011-375-7653

WEB予約

よくある質問

Q. 床矯正の効果はどれくらいで出ますか?期間の目安を教えてください
A. 床矯正は歯列だけでなく顎の成長を利用するため、効果が出るまでの期間は比較的ゆるやかです。多くの症例で、装着開始から3か月〜6か月ほどで目に見える変化が現れ始め、1年〜2年の治療期間で安定した歯並びが形成されます。ただし、症状の重さや装着時間、成長速度により効果の出方には個人差があります。毎日12〜16時間以上の装着が推奨されており、継続して正しく使うことで矯正効果が早く、確実に得られやすくなります。

Q. 子どもの床矯正はいつ始めるのが一番効果的ですか?
A. 床矯正は混合歯列期、すなわち6歳〜10歳前後の永久歯と乳歯が混在している時期に始めるのが最も効果的とされています。この時期はあごの骨が柔軟で、自然な成長を利用しながら歯列と顎のバランスを整えることが可能です。特に永久歯の前歯が4本程度生えそろう小学校低学年のタイミングは治療効果が高く、抜歯やワイヤー矯正を回避できる可能性もあります。歯科医院での早期診断により、理想的な開始時期を見極めることが大切です。

Q. 床矯正の装置は痛みがありますか?装着の違和感や注意点は?
A. 初めて床矯正装置を装着した際には、数日間程度「歯が押されるような圧迫感」や「軽い痛み」を感じることがあります。ただしこれは歯や顎がゆっくりと動いている証拠であり、多くの場合は1週間以内で慣れてきます。違和感を最小限にするためには、使用開始初期の段階で無理のないスケジュールで装着時間を増やすのが有効です。また、食事中は外しておくことで咀嚼や発音への影響を避けることができます。破損や紛失を防ぐために、装置は専用ケースで保管し、毎日の洗浄も忘れずに行うようにしましょう。

医院概要

医院名・・・ さいわいデンタルクリニック札幌大曲
所在地・・・〒061-1278 北海道北広島市大曲幸町6丁目1 インターヴィレッジ大曲
電話番号・・・ 011-375-7653

高速出口すぐそばのショッピングモール内なので、遠方からもアクセス可能

待ってる家族は、ショッピングも可能です。

医療法人miraiさいわいデンタルクリニック