さいわいデンタルクリニック札幌大曲は、患者様一人ひとりの笑顔を大切にし、その笑顔が持続することを目標としています。信頼関係の構築と妥協のない治療を約束しており、患者様の負担を軽減するために最新の設備を導入し、予約時間通りの診察を心がけています。
クリニックでは、一般歯科、口腔外科、小児歯科、矯正歯科、審美治療、予防歯科など幅広い診療科目をご提供しており、患者様の様々なニーズに応えることが可能です。特に、痛みの少ない治療、ホワイトニング、小児矯正など、患者様の快適さを重視した治療法をご提供しています。
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「どの装置がわが子に合うのか分からない」「プレート式とワイヤー式、何が違うの?」といった不安を抱えて、矯正歯科選びを後回しにしていませんか。特に小児の矯正治療では、骨格の成長に応じた装置選びが将来の歯列や噛み合わせに大きな影響を与えます。適切な時期に適切な装置を選ぶことで、抜歯を回避できる可能性も高まり、治療期間やコストを最小限に抑えることができるのです。
たとえば、可撤式の拡大装置は、成長期の上顎の発育を促す効果があり、通院頻度や装着の自由度も高いため、多くの医院で第一選択肢とされています。一方で、固定式のマルチブラケットや加強固定装置は、前歯の前方移動や咬合改善に威力を発揮するケースもあります。これらの違いを知らずに装置を選んでしまうと、想定外の時間や費用が発生することも。
この記事では、装置の種類や特徴を専門的な知見とともにわかりやすく解説し、それぞれの治療目的に対して最適な選択ができるようナビゲートします。読了後には「装置名だけでなく、その裏にある治療方針や成長時期の重要性」まで深く理解できるでしょう。

| 院名 | さいわいデンタルクリニック札幌大曲 |
|---|---|
| 住所 | 〒061-1278北海道北広島市大曲幸町6丁目1 インターヴィレッジ大曲 |
| 電話 | 011-375-7653 |
床矯正装置の種類とは?初めてでもわかる基本概要
床矯正装置とは何か?その目的と仕組み
床矯正装置とは、歯の土台となる顎の骨の成長をコントロールしながら、歯列や噛み合わせを整えるために使用される取り外し可能な矯正器具の総称です。特に小児期の成長段階で用いられることが多く、「可撤式矯正装置」とも呼ばれ、骨格に作用できる点が大きな特徴です。成人のように骨の成長が止まった後ではなく、骨が柔軟で変化しやすい時期に用いることで、高い効果が得られるとされています。
この装置は一般的にレジン(樹脂)でできたプレートに金属製のワイヤーやスクリュー、バネなどが取り付けられた構造になっており、上顎や下顎に装着して使用します。拡大ネジを使ってプレートを広げることで、顎の骨自体を徐々に拡大し、歯が正しい位置に並ぶスペースを作ります。プレートは取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際に衛生面でのメリットが大きいとされており、多くの小児矯正において第一選択肢となることが多いです。
以下は、床矯正装置の構造と目的を理解する上で役立つ基本要素を整理した表です。
| 項目 | 内容 |
| 主な構造 | プレート(レジン)、ワイヤー、拡大ネジ、バネ |
| 目的 | 顎骨の拡大、歯列の誘導、噛み合わせの正常化 |
| 使用対象年齢 | 5〜12歳程度(個人差あり) |
| 装着時間目安 | 1日14時間〜20時間(就寝中+在宅時) |
| 取り外しの可否 | 可撤式(食事・歯磨き時に取り外し可能) |
| 治療期間の目安 | 6ヶ月〜2年(症状と年齢により異なる) |
| 対応する主な症状 | 出っ歯、叢生(歯が重なっている)、受け口など |
| デメリット | 装着忘れのリスク、発音への影響、自己管理の必要性 |
特に、取り外しが可能な点は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正と大きく異なる特徴です。ワイヤー矯正では一度装着すると医師でなければ外すことができませんが、床矯正装置は使用者自身で管理が可能なため、清潔を保ちやすく、虫歯や歯周病のリスクを減らすことにもつながります。
また、床矯正装置は「可撤式拡大床」「咬合挙上板」「アクチバトール」「バイオネーター」「フレンケル装置」「ビムラー装置」など種類も豊富で、それぞれが対象症状や目的によって使い分けられます。たとえば、咬合挙上板は噛み合わせの高さを調整するために用いられ、拡大床は主に顎の拡大を目的とします。さらに、筋機能矯正の要素を持つアクチバトールやバイオネーターなどの機能的矯正装置は、舌や頬、唇の筋肉の働きを利用しながら矯正効果を高めることが可能です。
可撤式矯正装置は成長期の「顎の骨がやわらかく変形しやすい時期」に行うことで、抜歯を避けて歯列を整えられる可能性が高くなります。そのため、顎の成長に働きかけられる5歳から10歳頃に使用開始することが多く、永久歯が生え揃う前の「混合歯列期」に使用するのが理想とされています。
なお、厚生労働省が監修する「矯正歯科診療ガイドライン」でも、小児期の床矯正による早期介入が有効であるとされており、症例によってはワイヤー矯正よりも短期間で治療が完了するケースも報告されています。
このように、床矯正装置は見た目がシンプルながら、発育期の骨格変化を味方にできる極めて理にかなった装置であり、将来的な抜歯や手術を避ける手段としても非常に注目されています。
なぜ子どもに床矯正装置が使われるのか?
床矯正装置が子どもに使用される最大の理由は、「成長期の顎の骨をコントロールできる唯一の時期」だからです。大人の骨格はすでに完成しているため、矯正装置で動かせるのは主に歯だけですが、子どもの場合は骨そのものの形や大きさを変えることが可能です。これにより、将来的な抜歯や外科矯正を回避できる可能性が高まり、負担の少ない治療が実現します。
具体的には、以下のような症状や状態において、床矯正装置は高い効果を発揮します。
- 上顎前突(出っ歯)
- 下顎前突(受け口)
- 叢生(歯が重なっている)
- 顎の左右非対称
- 顎が小さくて永久歯が並ばない恐れがあるケース
これらの問題は、成長期の顎骨を拡大したり位置を調整したりすることで、根本的な解決が可能になります。たとえば、下顎前突の症状では、上顎を前方に誘導する「フェイスマスク」や「バイオネーター」などを併用することで、咬合関係を整えながら骨格バランスを整えることができます。
保護者の方にとって重要なのは、床矯正の「開始時期」によって治療結果が大きく左右されるという点です。以下は一般的な開始年齢と治療対象の対応表です。
| 年齢目安 | 適応装置の一例 | 主な治療目的 |
| 5〜6歳 | 拡大床、可撤式保隙装置 | 顎の骨格発育の誘導、永久歯のスペース確保 |
| 7〜9歳 | 拡大床、咬合挙上板、アクチバトール | 出っ歯・叢生の早期対応 |
| 10〜12歳 | バイオネーター、フレンケル装置 | 噛み合わせ改善、左右非対称修正 |
特に5歳から7歳における床矯正開始は、「予防矯正」として極めて有効です。この時期に適切な装置で骨格の誘導を行えば、その後の永久歯の生え方にも良好な影響を与えることができます。
また、装着が苦にならないよう「矯正器具 かわいい」デザインを採用する医院も増えており、見た目を気にする子どもでも前向きに取り組めるよう工夫がされています。カラフルなプレート、キャラクターデザインの取り入れなど、小児特有の心理に寄り添った対応が、治療継続の鍵となるのです。
矯正器具を使うことに対して「しゃべりにくい」「見た目が気になる」といった声があるのも事実ですが、最近では薄型設計や違和感を軽減するプレートが主流となっており、慣れれば問題なく使用できるケースがほとんどです。
重要なのは、子どもが無理なく装着を継続できるよう、家庭内でのサポートと医院の定期フォローが両立していることです。装着時間を守ること、自己管理の習慣を育てることも治療成功の鍵です。
床矯正装置の主な種類と機能を解説
拡大床装置の構造と役割
拡大床装置は、小児期の歯列矯正において広く使用される代表的な可撤式装置であり、上顎や下顎の骨格の幅を拡大することを主目的としています。この装置の中心には、中央に位置するスクリュー(ネジ)があります。このネジを回すことで装置の幅が徐々に広がり、顎の骨に軽い圧力をかけながら少しずつ成長を誘導していきます。プレートはレジン(樹脂)で成形され、歯列の内側にフィットする形状となっており、弾線(ワイヤー)が歯を支えます。
この装置は取り外し可能なため、清掃や食事の際に衛生的な管理がしやすく、お子さまの生活習慣にもなじみやすい点がメリットです。また、成長段階にある子どもの顎は柔軟性があるため、早期に使用すれば大きな効果が期待できます。特に、上顎が狭く下顎の歯列とのバランスが悪いケース、永久歯が並びきらない症例、さらには口呼吸や咀嚼機能の発達を促す目的にも有効です。
拡大床装置を導入する際に保護者が気にされるのが、費用・通院頻度・使用時間・効果の有無などです。以下の表に基本的な比較をまとめました。
| 項目 | 内容 |
| 対象年齢 | 小学校低学年〜中学年が最適 |
| 治療目的 | 顎の骨格拡大、歯列スペースの確保 |
| 装着時間 | 1日14時間以上推奨(就寝時含む) |
| 費用の目安 | 約10万円〜20万円(医院により異なる) |
| 通院頻度 | 月1回程度 |
| 主な副作用 | 発音障害、一時的な違和感、食事中の不便 |
使用時の注意点としては、装着時間が短いと治療効果が薄れるため、お子さまの協力度が大きなポイントとなります。また、装置を紛失した場合には再作成費用が発生するため、保護者のサポートも欠かせません。
成長期の顎は柔軟であるため、適切なタイミングで拡大床を使うことで、将来的な抜歯矯正を避ける可能性も高まります。その意味でも「可撤式拡大装置」は、非抜歯を希望する保護者にとって非常に有効な選択肢といえます。
咬合挙上板・咬合斜面板 噛み合わせ改善に適した装置
咬合挙上板と咬合斜面板は、噛み合わせのバランスを整える目的で使用される床矯正装置の一種です。いずれも上顎または下顎の歯列にフィットするプレート状の構造で、歯列全体の咬合力を調整し、過度な咬合圧や前歯部の干渉を避けることを主な目的としています。
咬合挙上板は、咬合面の高さを一時的に持ち上げることによって、下顎の前方成長を誘導する働きがあります。特に、深い噛み合わせ(過蓋咬合)や開咬(前歯が噛み合わない状態)の症例において効果を発揮します。反対に咬合斜面板は、斜めの面を持つことで下顎のスムーズな前方移動を促し、骨格的な不調和の是正に利用されます。
これらの装置の装着は一見シンプルに見えても、その設計は症例に応じて細かく調整され、専門的な知見が求められます。
| 比較項目 | 咬合挙上板 | 咬合斜面板 |
| 目的 | 噛み合わせの高さを調整 | 下顎の前方誘導 |
| 対象症例 | 過蓋咬合、開咬、顎の非対称 | 反対咬合、骨格性の前後差 |
| 装着時間 | 日中+就寝時の装着が推奨 | 就寝時のみでも効果を発揮 |
| 製作の難易度 | 中程度 | 高め(顎の動きを再現する設計が必要) |
| 費用の目安 | 7万〜15万円 | 10万〜18万円 |
使用中の子どもに見られる変化としては、噛み合わせの位置が改善することで、咀嚼時の負担が軽減されたり、顎関節の動きがスムーズになったりすることがあります。ただし、適応外の症例で使用すると顎の成長方向が意図しない方向へ変化する可能性があるため、矯正歯科医による綿密な診断が必要です。
機能的矯正装置とは?種類・特徴・覚え方まで
可撤式と固定式の分類とは?
機能的矯正装置は大きく「可撤式」と「固定式」に分類され、それぞれが異なる治療目的や生活スタイルに応じて選ばれる。矯正歯科治療の選択においてこの違いを理解することは、患者自身の生活負担や治療効果を左右する重要な要素です。可撤式とは、患者自身が着脱可能なタイプで、食事や歯磨きの際に取り外せる利便性があります。一方で固定式は歯に直接装着し、専門家による管理が中心となるため、より強力な治療力をもつが、生活への影響が大きくなる傾向があります。
それぞれの分類は以下のような装置に分かれる。
| 装置分類 | 装置名 | 特徴 | 適応症例 |
| 可撤式 | 拡大床装置、バイオネーター、ビムラー装置など | 着脱可能で清掃しやすい。発育期に有効 | 軽度~中等度の歯列不正、成長期の骨格矯正 |
| 固定式 | マルチブラケット装置、アンカースクリュー、急速拡大装置など | 医院管理下で持続的な力を加えられる | 中等度~重度の不正咬合、成人の矯正治療 |
可撤式矯正装置には成長を利用する機能的矯正装置が多く、小児矯正に向いている点が特徴です。バイオネーターやビムラー装置は、下顎を前方に誘導するなどの機能訓練も含む。また、可撤式は子どもが嫌がるケースもあり、装着時間の管理が成否を分ける重要要素となります。
一方で固定式は、自発的な装着が不要で治療計画に忠実に進められる反面、食事や清掃に工夫が必要で、虫歯のリスクが高まることもあります。治療の強度と精密性を求める成人矯正や複雑な症例に選ばれやすい。
治療時間や費用も分類により異なります。可撤式は比較的低価格で済むことが多いが、固定式は装着作業やメンテナンスが増えるためコストが高くなる傾向があります。
| 比較項目 | 可撤式装置 | 固定式装置 |
| 装着管理 | 患者自身 | 歯科医主導 |
| 清掃性 | 良い(取り外し可) | やや難しい |
| 適応症例 | 軽~中等度 | 中等度~重度 |
| 使用対象 | 小児に多い | 成人・重症例に多い |
| 治療期間 | 管理により変動 | 一定で計画的 |
このように、可撤式と固定式は矯正治療の大きな分岐点となります。特に成長期の子どもにおいては、骨格誘導と生活負担のバランスを取るために可撤式装置が選ばれるケースが多い。一方で、時間的制約や複雑な歯列不正には固定式が有効です。選択の際は歯科医との相談が重要であり、ライフスタイルやモチベーションも含めた総合的な判断が必要です。
バイオネーターとフレンケル装置の違い
機能的矯正装置の代表格として広く用いられるのが「バイオネーター」と「フレンケル装置」です。両者は共に下顎の前方誘導や口腔周囲筋の機能改善を目的とするが、その構造や装着感、治療アプローチにおいて明確な違いがあります。
まずバイオネーターは、上下の歯列を一体化するようなプレート構造を持ち、下顎を前方に導くようデザインされています。主に骨格性下顎後退のある症例に対して使用され、咬合誘導と成長促進の両立を目指す。一方でフレンケル装置は、金属ワイヤーと樹脂パーツで構成され、筋機能訓練に特化した形状を持つ。口輪筋や頬筋、舌筋のバランスを整えながら歯列の自然な拡大を促す。
| 比較項目 | バイオネーター | フレンケル装置 |
| 主な目的 | 下顎の前方誘導、咬合誘導 | 口腔筋の機能改善、舌の正しい位置獲得 |
| 装置構造 | 上下顎を一体化するプレート型 | ワイヤーフレーム+レジンによる外部支持 |
| 使用感 | 口内の占有感が大きい | 顔面筋の影響を強く受ける設計 |
| 装着対象 | 成長期の下顎後退児 | 開咬や舌突出癖のある児童 |
| 発音・会話 | やや不明瞭になる傾向 | 会話時の違和感が少なめ |
バイオネーターは比較的装着が簡単であり、使用頻度が高い。一方で、発音や会話に多少の影響があるため、長時間の装着には慣れが必要となります。特に学校生活での会話や給食の時間など、子どもの心理的な負担にならないよう配慮が求められる。
フレンケル装置は見た目が特殊であるため最初は抵抗を感じやすいが、顔貌や口腔筋に対する機能的アプローチが可能で、口呼吸の改善や舌の位置異常への対応として優れています。また、歯列全体ではなく「筋の使い方」を正すことに主眼が置かれている点が独特です。
使用時には両者とも「適切な装着時間」が求められ、1日14時間以上の使用が推奨されるケースもあります。そのため、治療の成功には本人の協力が不可欠であり、保護者のサポートやモチベーション維持の工夫も非常に重要です。
症状・目的別にみる床矯正装置の最適な選び方
前歯の突出に適した装置
上顎前突、いわゆる「出っ歯」は、歯列矯正の中でも比較的多く見られる症状です。上顎が下顎に対して前に出ている、または下顎の成長が不足していることで、咬合バランスが崩れることが原因です。早期の介入が効果的とされており、成長期の子どもにおいては、顎骨の発育をコントロールできる「床矯正装置」が非常に有効です。
まず第一に挙げられるのが「バイオネーター」と呼ばれる機能的矯正装置です。この装置は、上顎の前方への成長を抑え、同時に下顎を前方へ誘導する作用があります。筋機能を利用して顎の発育を正しい方向へと導くため、自然な成長を促進しながら歯列全体を整えられます。
また「拡大床装置」も有効な選択肢です。これは可撤式(取り外し可能)で、歯列アーチを側方に広げることによって前歯の位置を後方に戻し、出っ歯の見た目を改善する効果があります。とくに混合歯列期(永久歯と乳歯が混在する時期)においては、成長を味方につけながら矯正が可能となるため、自然な仕上がりが期待できます。
以下の表は、上顎前突に対して用いられる床矯正装置の比較です。
| 装置名 | 装着タイプ | 主な作用 | 対象年齢 | 特徴 |
| バイオネーター | 可撤式 | 下顎の前方誘導 | 6~12歳 | 筋機能の活用、自然な発育補助 |
| 拡大床装置 | 可撤式 | 上顎アーチの拡大 | 6~11歳 | 歯列スペース確保 |
| アクチバトール | 可撤式 | 上下顎のバランス調整 | 6~13歳 | 成長誘導+咬合改善 |
保護者からのよくある質問には「何歳から始めればいいか」「痛みはあるか」「装着して学校で話せるか」などがあります。適齢期としては、顎の成長が活発な6歳〜10歳頃が理想とされ、痛みは個人差がありますが通常は軽度です。また可撤式装置の多くは日常会話に影響しづらく、慣れれば自然に話せるようになります。
医師との定期的なフォローアップが成功の鍵です。装置の効果を最大限に引き出すには、日々の使用時間や装着状況の管理が重要になります。
下顎の突出に対応できる装置
下顎前突、通称「受け口」は、上顎の成長不足または下顎の過成長によって発生する症状です。審美的問題のみならず、咀嚼や発音機能に悪影響を及ぼすため、早期対応が望まれます。
この症状に対しては、上顎の成長を促す「上顎前方牽引装置」が有効です。これは「フェイスマスク」と呼ばれる外部装置と「拡大床装置」を組み合わせたもので、上顎を前に牽引しながら下顎とのバランスを取ります。特に小児期の顎成長が盛んな時期に装着することで、骨格レベルの改善が可能となります。
また「チンキャップ」も使用されることがあります。こちらは下顎の成長を抑制する目的で用いられ、骨格性下顎前突の進行防止に役立ちます。
以下に、下顎前突への対処法を整理した表を提示します。
| 装置名 | 装着タイプ | 主な作用 | 対象年齢 | 特徴 |
| 上顎前方牽引装置 | 可撤式+外部 | 上顎を前方へ牽引 | 5~9歳 | 骨格誘導に最も有効、早期介入必須 |
| 拡大床装置 | 可撤式 | 上顎の幅拡大でバランス調整 | 6~10歳 | 上顎の拡大により咬合調整可能 |
| チンキャップ | 外部固定式 | 下顎の過成長抑制 | 5~8歳 | 骨格性前突の進行防止 |
推奨される年齢帯はやや低めで、5歳〜9歳が最も効果的です。これは顎骨の柔軟性が高いため、骨格自体に働きかけやすいからです。大人の場合は外科的矯正を検討するケースもありますが、子どもであれば床矯正によって非外科的に改善が可能です。
保護者からは「外部装置は見た目が気になるのでは?」「学校でつけても大丈夫か?」といった質問が寄せられますが、装着は基本的に就寝時であるため、日中の生活にはほとんど影響しません。
歯が重なっている状態を改善する装置選び
叢生とは、歯が重なり合って正しい位置に並んでいない状態を指します。スペース不足が主な原因であり、審美面や清掃性に悪影響を及ぼします。将来的な虫歯や歯周病のリスクも高まるため、早期の介入が推奨されます。
この症状においては「急速拡大装置」や「可撤式拡大床」が有効です。前者は固定式で短期間に上顎を広げるのに向いており、後者は取り外し可能なプレート式で、ゆるやかにアーチを広げていきます。
以下に叢生の改善に使われる代表的装置の比較表を示します。
| 装置名 | 装着タイプ | 主な作用 | 対象年齢 | 特徴 |
| 急速拡大装置 | 固定式 | 上顎アーチの急速拡大 | 6~12歳 | 固定式で短期間の拡大が可能 |
| 可撤式拡大床 | 可撤式 | ゆるやかなアーチ拡大 | 6~13歳 | 成長に合わせた調整が容易 |
| プレート型配列補正装置 | 可撤式 | 歯の移動と配列の調整 | 7~14歳 | アクティブプレートによる矯正対応 |
叢生が重度の場合、抜歯やワイヤー矯正を併用することもありますが、軽度〜中等度の症例であれば床矯正だけで改善が見込めます。
年齢別 何歳から床矯正は始めるべき?子どもの矯正適齢期
5〜7歳 骨格の成長を生かす時期
骨の成長が著しい5〜7歳は、矯正治療を開始するうえで極めて重要なタイミングとされています。特に上顎の成長が活発なこの時期は、骨格そのものに働きかける「床矯正装置」の効果が最も現れやすいとされ、後の本格矯正への移行をスムーズにするための土台作りが可能です。
この時期の子どもは骨が柔軟で、顎の成長方向や幅に対して矯正装置の力がよく伝わります。以下のような症例で床矯正が導入されることが多く見られます。
代表的な症例
- 歯の生えるスペースが不足している(叢生傾向)
- 乳歯列で上下の噛み合わせが不自然
- 口呼吸や舌癖がある
- 反対咬合(受け口)の初期兆候
主に使用される装置
| 装置名 | 機能と特徴 |
| 可撤式拡大床 | 顎の幅を徐々に広げる装置。取り外し可能。 |
| 咬合挙上板 | 噛み合わせを整える目的で一時的に咬合を高く保つ装置 |
| リップバンパー | 唇の圧力を排除し、自然な歯列弓の広がりを誘導する |
よくある疑問と回答
- この年齢で痛みや違和感は強くないか?
痛みは少なく、柔らかい力でゆっくり広げていくため、ほとんどの子どもが順応します。 - 装置の装着時間はどれくらい?
平均して1日14〜16時間程度の装着が推奨されますが、個々の症例によって調整されます。 - 費用は高額にならない?
床矯正はワイヤー矯正に比べて初期費用が抑えられ、分割支払いが可能な医院も多くあります。 - この年齢で矯正を始めると将来の矯正が不要になる?
確実に不要になるとは限りませんが、歯を抜かずに矯正できる可能性が大きくなります。 - どんな医院で診てもらえばいい?
小児矯正専門または床矯正の実績が豊富な矯正歯科が望ましく、事前に症例数や装置の種類を確認することが大切です。
8〜10歳 咬合誘導の最適タイミング
永久歯と乳歯が混在する「混合歯列期」は、矯正歯科治療の中でも特に戦略的に介入しやすいタイミングです。8〜10歳は、永久歯の萌出方向や顎の成長速度が個人差をもって顕著に現れる時期であり、「咬合誘導」という概念がより明確に活きる年代です。
この時期の治療の主な目的
- 歯列の中心軸のズレを防ぐ
- 萌出してくる永久歯が適切な位置に生えるように誘導する
- 上下の顎の前後・左右のバランスを調整する
使用される主な床矯正装置
| 装置名 | 用途 |
| 咬合斜面板 | 顎の位置のズレを補正するために使用される可撤式装置 |
| フレンケル装置 | 表情筋・舌筋・口腔周囲筋に作用し、自然な咬合誘導を助ける |
| 可撤式拡大床 | 歯列弓の幅の調整とスペース確保を目的とした装置 |
よくある疑問とその回答
- 永久歯が完全に生え揃ってから矯正する方がいいのでは?
永久歯の萌出に合わせて床矯正を導入することで、歯列の乱れを予防できるケースが多くあります。 - この時期に装置を付けてもまた歯が動いてしまうのでは?
保定期間を含めた治療プログラムにより、再発を防ぎやすくなります。 - 成長期に運動クラブや習い事をしている場合、影響はある?
可撤式装置は取り外しが可能なため、スポーツや発表会前には一時的に外すことができ、生活に支障が出にくいのが利点です。 - 学校での見た目や発音への影響は?
装置によっては発音に慣れるまで数日〜1週間ほどかかる場合がありますが、周囲にはほとんど気づかれないケースも多く、事前に対応方法を指導してもらうことで不安を軽減できます。 - 費用面はどの程度かかる?
治療内容によりますが、一般的な床矯正は月額管理料と装置費用を合わせて10〜20万円台で治療可能なケースが多く見られます。
この年齢での床矯正は、将来的な抜歯矯正を回避できる可能性を高めるだけでなく、顔貌のバランスや滑舌、食事の姿勢などの成長全体に良い影響をもたらします。長期的な視点で、最小の介入で最大の効果を狙うことが重要です。
11歳以降 顎の成長と装置の選択肢の制限
11歳を過ぎると、特に女子では骨格の成長が終盤に差し掛かり始め、床矯正による骨格誘導効果が限定的になります。この時期以降では、顎の成長に任せた自然な広がりは期待しにくく、歯の移動や歯列の再構築を中心とした治療が主体となります。
この時期の治療の課題と方向性
- 骨格の変化が起こりにくいため、顎の拡大よりも歯の配列改善に注力
- 歯の萌出が完了しているため、抜歯を検討するケースも
- 固定式装置やワイヤー矯正を併用する割合が増加
主に用いられる装置
| 装置名 | 特徴 |
| 固定式拡大装置 | 固定力の高い装置で強制的に歯列を広げる |
| マルチブラケット | 歯1本1本にアプローチできる固定式ワイヤー装置 |
| アンカースクリュー | 精密な歯の移動を実現する補助的な固定源 |
よくある疑問と回答
- この年齢から床矯正を始めても意味はある?
個人差はありますが、骨格誘導効果は期待しづらくなります。目的を明確にしたうえで、装置の選定を行う必要があります。 - 抜歯が必要になるのはなぜ?
スペース不足が著しい場合、歯をきれいに並べるために一部の歯の抜歯を伴う矯正が必要になることがあります。 - 可撤式よりも固定式の方がよいのか?
成長期の終了に近い年齢では、固定式の方が精密な力をコントロールできるため、効果的な場合が多くなります。 - 治療期間は長くなる?
歯の移動に時間がかかるため、早期介入に比べて長期化する可能性がありますが、年齢に応じた最適なスケジュールが組まれます。 - 費用はどのくらいになる?
床矯正だけで完結しない場合、ワイヤー矯正などを併用することになり、総額で30〜70万円以上かかることもあります。
まとめ
床矯正装置の種類とその選び方について、ここまでご覧いただきありがとうございました。
この記事では、装置の種類ごとの特徴や目的、適応年齢や治療方針の違いについて詳しく解説してきました。装置の中でも、可撤式の拡大床や機能的矯正装置、加強固定装置などは、それぞれ骨格の成長や歯列の拡大、咬合の誘導といった治療目的に応じて使い分けられます。また、固定式と比較したときの使用感や管理のしやすさも、保護者にとって重要な判断材料となるでしょう。
たとえば、5〜7歳での開始は骨格の発育を活かした早期介入が可能であり、8〜10歳では咬合の誘導に最適な時期として高い効果が期待されます。さらに11歳以降になると選択できる装置や治療計画に制限が出てくるため、タイミングを逃さない判断が必要です。これは厚生労働省の歯科保健事業の一環としても提唱されており、小児期における咬合の形成は、生涯の口腔健康に直結することがわかっています。
「どの装置が良いのか分からない」「費用や通院頻度が心配」という方も多いかと思います。しかし、装置の違いや適した年齢、治療内容を正しく理解することで、不安は大きく軽減されます。特に矯正装置には、治療効果だけでなく、本人の性格や生活スタイル、成長段階に合わせた柔軟な対応が求められます。
装置選びを誤ると、不要な治療の繰り返しや長期的な費用増につながる恐れもあります。逆に適切な知識を持って選択すれば、最小限の負担で最大限の治療効果を得ることができます。
ぜひ、今回得た情報を元に、お子さまにとって最良の治療計画を立ててみてください。専門医への早めの相談が、将来の笑顔と健康につながる第一歩です。
さいわいデンタルクリニック札幌大曲は、患者様一人ひとりの笑顔を大切にし、その笑顔が持続することを目標としています。信頼関係の構築と妥協のない治療を約束しており、患者様の負担を軽減するために最新の設備を導入し、予約時間通りの診察を心がけています。
クリニックでは、一般歯科、口腔外科、小児歯科、矯正歯科、審美治療、予防歯科など幅広い診療科目をご提供しており、患者様の様々なニーズに応えることが可能です。特に、痛みの少ない治療、ホワイトニング、小児矯正など、患者様の快適さを重視した治療法をご提供しています。
患者様の健康と笑顔を守るために、スタッフ一同が全力でサポートいたします。

| 院名 | さいわいデンタルクリニック札幌大曲 |
|---|---|
| 住所 | 〒061-1278北海道北広島市大曲幸町6丁目1 インターヴィレッジ大曲 |
| 電話 | 011-375-7653 |
よくある質問
Q. 小学生の子どもにはどの種類の床矯正装置が適しているのでしょうか?
A. 年齢や歯列の状態に応じて最適な装置が異なります。たとえば5〜7歳の成長期には、骨格の発育を利用して顎を拡大する可撤式の拡大床が有効です。咬合誘導を目的とする8〜10歳では、咬合斜面板やバイオネーターが推奨されることが多く、顎の前方成長をコントロールしやすい装置です。また11歳以降は成長のピークを過ぎているため、可撤式だけでなく固定式や加強固定装置の併用が検討されます。医院によっては適応年齢ごとに装置を変えているため、年齢と歯列状況に応じた診断がカギとなります。
Q. 床矯正装置は目立ちますか?学校や日常生活に支障は出ないのでしょうか?
A. 可撤式の床矯正装置は一般的に装着時の目立ちにくさが特徴です。特にバイオネーターやビムラー装置は口腔内に収まる設計が多く、見た目に配慮されています。また、装置は取り外しができるため、学校の給食や部活、発音が重要な音楽の授業時などに外して対応できる柔軟性も魅力です。ただし、取り外し頻度が多すぎると治療効果が低下するため、1日12〜14時間の装着が推奨されます。違和感については2〜3週間ほどで慣れるケースが多く、装着時間や発音指導も歯科医師がサポートしてくれるため、大きな生活の支障にはなりません。
医院概要
医院名・・・ さいわいデンタルクリニック札幌大曲
所在地・・・〒061-1278 北海道北広島市大曲幸町6丁目1 インターヴィレッジ大曲
電話番号・・・ 011-375-7653


