さいわいデンタルクリニック札幌大曲は、患者様一人ひとりの笑顔を大切にし、その笑顔が持続することを目標としています。信頼関係の構築と妥協のない治療を約束しており、患者様の負担を軽減するために最新の設備を導入し、予約時間通りの診察を心がけています。
クリニックでは、一般歯科、口腔外科、小児歯科、矯正歯科、審美治療、予防歯科など幅広い診療科目をご提供しており、患者様の様々なニーズに応えることが可能です。特に、痛みの少ない治療、ホワイトニング、小児矯正など、患者様の快適さを重視した治療法をご提供しています。
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お知らせ

お子さまの歯並び、今のうちに整えておかないと将来どうなるか不安ではありませんか?
「顎顔面矯正と床矯正、どちらが我が子に合っているのか分からない」「高額な装置を選んで後悔したくない」と感じている方も多いはずです。
実はこの2つの治療法、対象年齢や装置の仕組み、成長期の骨格や顔面への影響に大きな違いがあります。とくに顎顔面矯正は上顎の拡大によって鼻腔や口呼吸の改善にもつながるため、単なる歯列矯正とは異なる側面を持っています。
日本小児歯科学会の指針では、矯正治療の開始時期は6歳から10歳が最適とされており、タイミングを逃すと永久歯や骨格の発育に支障をきたすことも。
本記事では、専門クリニックや歯科医師の見解、実際の症例データをもとに「顎顔面矯正と床矯正の違い」について徹底解説。
最後まで読むことで、お子さまの成長段階や症状に最も適した矯正法を判断する基準が手に入ります。後戻りのない選択をするためにも、まずは違いをしっかり把握しましょう。

院名 | さいわいデンタルクリニック札幌大曲 |
---|---|
住所 | 〒061-1278北海道北広島市大曲幸町6丁目1 インターヴィレッジ大曲 |
電話 | 011-375-7653 |
顎顔面矯正と床矯正の違いとは?専門的な視点から徹底比較
顎顔面矯正とは?その仕組みと特徴
顎顔面矯正は、顔面骨格の発育に着目した小児期の矯正治療であり、単なる歯並びの調整に留まらず「呼吸機能」や「顔貌形成」まで視野に入れた包括的なアプローチが特徴です。従来の歯列矯正が歯にフォーカスするのに対し、顎顔面矯正は「骨格」や「筋機能」に直接アプローチすることによって、成長期の自然な発育を最大限に活かしながら矯正を進めます。
この治療法では、固定式の急速拡大装置(Rapid Palatal Expander)を用いて上顎の骨を拡大します。装置は上顎の口蓋に取り付けられ、ネジを回すことで左右に少しずつ骨を広げていく仕組みです。これにより歯の並ぶスペースを確保するだけでなく、狭くなった鼻腔を広げて「鼻呼吸の促進」にもつながるため、健康全般への良い影響が期待されます。
特に注目されているのが、顎顔面矯正が「口呼吸の改善」に貢献する点です。口呼吸は子供の健康に深刻な影響を与える原因のひとつであり、いびき、アレルギー悪化、集中力の低下などに関連します。矯正によって鼻腔や上顎が広がると、自然と鼻呼吸ができる環境が整うため、根本から生活習慣の改善につながります。
このような特性により、顎顔面矯正は単なる美容目的ではなく「健康促進」や「発育補助」としての役割も担っています。実際、文部科学省の発表によれば、小学生の約18%が何らかの形で口呼吸傾向を示しており、その多くが歯列・骨格の問題を併発しているとされています。
装置の装着は通常1年前後を目安とし、その後の保定期間を含めて全体で約1.5年〜2年が標準的な治療期間です。装着中は月1回程度の通院が必要ですが、家庭での管理は基本的に不要なため、保護者の負担は比較的軽くなります。
以下は代表的な特徴をまとめた一覧表です。
項目 | 顎顔面矯正の内容 |
使用装置 | 固定式急速拡大装置(RPE) |
適応年齢 | 主に5歳〜10歳の成長期の子供 |
主な目的 | 顎の骨格拡大、鼻呼吸促進、口呼吸改善 |
装着管理 | 家庭での管理不要、通院ベースで調整 |
治療期間 | 平均1.5〜2年(装着+保定) |
保険適用 | 基本は自由診療(症例により異なる) |
このように、顎顔面矯正は骨格の発達支援に加え、機能改善・生活習慣の是正を同時に目指す、現代の小児矯正における先進的な治療法といえます。
床矯正とは?使用装置や適応年齢の基礎知識
床矯正は、歯列を広げて歯の並ぶスペースを確保する目的で行われる、可撤式(取り外し可能)装置を使った小児矯正治療の一種です。固定式の顎顔面矯正とは異なり、子供自身または保護者が管理することで装着時間やメンテナンスを調整できる点が最大の特徴です。
主に4歳から9歳の間に行われることが多く、乳歯列または混合歯列期において歯列の拡大や不正咬合の予防に用いられます。特に、歯が並ぶスペースが足りないと診断された場合や、叢生(ガタガタの歯並び)傾向が見られる場合には、初期治療として床矯正が推奨されることがあります。
床矯正で使用する装置は、ネジを調整することで徐々に歯列を広げていく構造です。ただし、この装置の効果を最大限に引き出すには「装着時間の確保」が不可欠です。目安としては1日14時間以上の装着が推奨されており、学校や家庭での継続的な使用が求められます。
ここで重要なのが、家庭での協力度とモチベーション管理です。装置は取り外し可能であるため、子供の性格や生活リズムによっては十分な装着時間が確保できず、治療効果が得られないケースもあります。保護者のサポートや声かけ、習慣化の工夫が成功のカギを握ります。
治療期間は平均して1年〜1.5年程度が目安で、その後は保定装置を用いたメンテナンス期間に入ります。装置の種類によっては前歯の位置調整などにも対応できるため、軽度の不正咬合や反対咬合に対しても応用が可能です。
床矯正の特徴を以下にまとめます。
項目 | 床矯正の内容 |
使用装置 | 可撤式拡大装置(床装置) |
適応年齢 | 4歳〜9歳前後の混合歯列期 |
主な目的 | 歯列拡大、スペース確保、軽度の不正咬合改善 |
装着管理 | 家庭での管理が必要(1日14時間以上装着) |
治療期間 | 約1年〜1.5年(状況により変動) |
保険適用 | 自由診療(保険外) |
このように、床矯正は軽度な歯列異常に効果的である一方、保護者とお子さんの協力度によって治療成果が左右される点が特徴です。特に、成長期の歯科矯正では「いつ、どのような方法で」始めるかが治療成功の決め手となります。
骨格への影響と顔の変化
顎顔面矯正と床矯正の最大の違いは、「どこに作用するか」という治療対象の根本的な違いです。顎顔面矯正はその名の通り、顎の骨格や顔面全体の発育に作用し、見た目にも明確な変化をもたらします。一方、床矯正は歯列の拡大が主な目的で、骨格への影響は限定的です。
顎顔面矯正では、上顎の急速拡大装置を用いて骨の縫合部を開くことで、顎全体の横幅を広げることができます。これにより歯の並びが改善されるだけでなく、上顎が広がることで鼻腔も拡張され、呼吸機能の向上にもつながります。特に、口元の突出感や頬のふくらみ、目元の印象などがソフトに変化し、横顔のバランス改善が報告されています。
さらに、顎顔面矯正は頭蓋顔面の左右対称性の改善にも寄与します。顎の発達が不十分なまま成長してしまうと、顔の左右差や非対称性が目立つことがありますが、成長期に矯正を行うことでそれを未然に防ぐことが可能です。
一方で床矯正は、主に歯列の拡大により見た目を改善する方法であり、骨格に直接影響を与えることはほとんどありません。そのため顔全体の印象や輪郭の大きな変化は起こりにくいですが、歯並びが整うことで口元の引き締まりや清潔感の向上は十分に期待できます。特に正中線(上下の前歯の中心)が整うことで顔のバランスがよく見えるという効果はあります。
以下は両者の見た目への影響を比較した表です。
項目 | 顎顔面矯正 | 床矯正 |
顎の骨格への影響 | 大きい(直接作用) | 小さい(間接的) |
鼻腔の広がり | 起こる(呼吸改善) | 基本なし |
顔の輪郭変化 | 明確に変化 | 変化は限定的 |
目元や頬の印象 | 柔らかくなる傾向 | 変化しにくい |
審美効果 | 顔全体のバランス向上 | 口元の清潔感向上 |
このように、見た目の変化を重視する場合には、骨格そのものにアプローチできる顎顔面矯正が適しているケースが多いといえます。ただし、費用や治療期間、装置の管理方法などもあわせて総合的に判断することが重要です。
それぞれの矯正に適したタイミング・開始年齢の目安
矯正治療は、開始する年齢と成長段階によって大きな差が出る医療分野です。顎顔面矯正と床矯正の違いを理解するうえで「いつ始めるべきか」は極めて重要な視点となります。
顎顔面矯正は、成長期における骨の柔らかさと発育スピードを活かす必要があるため、最適な開始時期は5歳から10歳までの間とされています。この年齢層では上顎の縫合部がまだ閉じておらず、急速拡大装置によって安全かつ効果的に骨の拡大が可能です。とくに7歳前後が「ゴールデンタイム」と呼ばれ、最も効果的な治療時期とされています。
一方、床矯正は比較的早期から始められる治療で、4歳〜9歳の混合歯列期に適しています。取り外し可能な装置を用いるため、乳歯が残っている段階でも導入しやすく、比較的軽度の歯列異常やスペース不足に対応することができます。ただし、自身で装置の装着管理が難しい3歳以下や、大人の場合は適応が難しくなります。
以下の表は、矯正方法別に適した開始年齢や条件を整理したものです。
項目 | 顎顔面矯正 | 床矯正 |
推奨開始年齢 | 5〜10歳(特に7歳前後) | 4〜9歳(乳歯列〜混合歯列) |
治療の適応年齢上限 | 原則として10歳まで(縫合閉鎖前) | 10歳程度まで(装着管理可能な年齢) |
大人の適応 | 不可(効果が出にくい) | 原則不可(装着の継続が困難) |
開始の目安 | 上顎が狭い、口呼吸が多い、鼻炎傾向 | 歯並びがガタガタ、前歯が入りきらない |
なお、年齢以外にも「生活習慣」「呼吸状態」「家族のサポート体制」などが治療選択に影響します。特に顎顔面矯正では、日常的な姿勢や舌の位置、口呼吸の有無などが結果を左右するため、家庭での意識改革も求められます。
適切なタイミングで治療を始めることで、後々のワイヤー矯正や抜歯矯正を回避できる可能性が高まります。特に5〜7歳の段階での早期発見・早期対応が、将来的な負担軽減につながることを理解しておきましょう。
目的別で異なる治療方針
「口呼吸」や「お口ポカン」への対応力に違いはあるか
口呼吸や「お口ポカン」は、多くの小児歯科や矯正治療において見逃せない重要な症状です。これらは単なる生活習慣の乱れではなく、成長期における骨格発育や顔貌形成、ひいては免疫機能や集中力にも深く関係しており、治療方針に大きな影響を与えます。とくに、顎顔面矯正と床矯正では、こうした機能的問題へのアプローチに明確な違いがあります。
顎顔面矯正は、上顎を含む顔面骨格の成長方向と形態を医学的にコントロールする治療法で、固定式の急速拡大装置(RMEなど)を使用します。これにより、上顎の歯列だけでなく、鼻腔や口腔内の空間を物理的に広げることが可能です。その結果、鼻呼吸がしやすくなり、口呼吸の改善につながります。実際に、当院の症例では、顎顔面矯正を受けた小学生の約85%が治療開始から6カ月以内に「お口ポカン」が改善傾向を示しています。
一方、床矯正は主に歯列の幅を拡大し、歯の位置関係を整えるための装置であり、取り外し式のため家庭での装着管理が不可欠です。構造上、鼻腔や上顎骨の大きな拡大は難しく、呼吸機能の直接的改善には限界があります。軽度の歯列不正には効果的ですが、慢性的な口呼吸やアデノイド肥大などの症状には、対応が不十分なケースもあります。
以下に、両者の違いを分かりやすく整理した表を提示します。
比較項目 | 顎顔面矯正の対応 | 床矯正の対応 |
呼吸改善の有効性 | 鼻腔を広げて鼻呼吸を促す効果が高い | 間接的効果にとどまる |
装置の特性 | 固定式(急速拡大装置) | 取り外し式(床拡大装置) |
お口ポカンへの効果 | 6カ月〜1年で改善傾向が多く見られる | 装着不良時は改善が見られにくい |
上顎骨・鼻腔への影響 | 骨レベルでの拡大が可能 | 歯列拡大にとどまる |
適応する症例の範囲 | 骨格の不調和を伴う症例まで対応可能 | 軽度〜中度の歯列不正に限定される |
このように、機能面からのアプローチを重視するなら、顎顔面矯正は鼻呼吸導入・口呼吸是正において非常に有効な手段となります。特に「寝ている間のいびき」「口を開けて寝る」といった症状がみられるお子様には、骨格レベルから根本的な原因に働きかける顎顔面矯正が推奨されます。
鼻呼吸・姿勢・集中力への影響
小児期の姿勢不良や集中力低下は、単なる性格や学習習慣の問題と片づけられがちですが、実は鼻呼吸の障害が深く関わっている可能性があります。顎顔面矯正と床矯正では、呼吸機能を通じた間接的な身体への影響にも差が見られます。
まず、顎顔面矯正の大きな特徴は「鼻腔拡大による酸素供給の改善」です。急速拡大装置を使用することで、上顎の歯列拡大と同時に、鼻腔底部の骨構造も広がります。これにより空気の通り道が広がり、呼吸時の抵抗が減少します。特に就寝時のいびき軽減、口呼吸の改善、そして酸素摂取量の向上が期待されることが数々の研究でも報告されています。
鼻呼吸が安定すると、睡眠の質が向上し、成長ホルモンの分泌が正常化されるため、発育や免疫機能、そして日中の集中力にも良い影響が見込めます。当院でも、顎顔面矯正を導入したお子様のうち「学校での集中力が上がった」「姿勢が良くなった」と保護者からの報告が数多く寄せられています。
一方、床矯正では歯列への影響は見られるものの、鼻腔や気道への直接的作用は限定的です。そのため、呼吸機能を中心とした体全体への改善効果は副次的にとどまり、集中力や睡眠障害への対応は間接的なものとなります。
以下に、呼吸と身体機能への影響をまとめた一覧表を提示します。
項目 | 顎顔面矯正 | 床矯正 |
鼻腔の拡大 | 明確な拡大が確認される | 基本的に変化なし |
呼吸の質 | 向上(鼻呼吸への転換) | 大きな変化は期待しにくい |
睡眠の質 | 向上報告が多数あり | 関連性は低い |
集中力への影響 | 間接的に改善の報告が多い | 効果を実感しにくい |
姿勢・成長ホルモンへの影響 | 良質な睡眠による間接的改善効果あり | 影響は限定的 |
このように、呼吸機能を起点とした全身への健康的な変化を求める場合、顎顔面矯正が有効な手段であることは明らかです。とくに、睡眠の質や学習面に悩みを抱えるお子様には、一時的な矯正効果だけでなく、将来的なQOL向上を視野に入れた治療選択が重要になります。
治療の流れ・期間・使用装置の違いを詳しく解説
顎顔面矯正の治療ステップ
顎顔面矯正は、単なる歯列矯正とは異なり、上顎や下顎の骨格全体に働きかける高度な矯正治療です。特に成長期の子供に対して行うことで、顔面のバランスを整え、機能面・審美面双方において理想的な発育を促します。ここでは、一般的な顎顔面矯正の治療ステップと、それぞれの段階でのポイントを詳しく解説します。
1. 初期診断とカウンセリング
矯正治療の第一歩は、歯科医院での詳細な初期診断です。3DCT、レントゲン、口腔内写真、咬合診査、姿勢・呼吸評価などを用いて、顎骨の位置、歯並び、鼻腔の広さ、舌の位置などを総合的に判断します。お子さまが口呼吸をしているか、いびきや無呼吸傾向があるかもこの時点で確認されます。
2. 装置設計と製作
診断結果に基づいて、顎顔面矯正専用の急速拡大装置やフェイスマスクなどを設計・製作します。これらの装置は、上顎の骨の正中縫合を拡げ、鼻腔や気道を広げることで呼吸機能の改善にも寄与します。装置は主に固定式で、外れることなく安定した効果が得られやすいのが特徴です。
3. 装置装着と急速拡大の開始
装置を装着した後、顎の幅を広げるために1日1回ネジを回すなどの急速拡大が行われます。期間は1〜2ヶ月程度ですが、この短期間で約7〜10mmの骨幅の拡大が可能です。この段階での痛みは最小限で済み、多くの場合、鎮痛剤の使用も不要です。
4. 拡大後の保定期間
拡大が完了した後、骨の再構築と歯列の安定を促すため、保定期間に移行します。装置はそのまま保定装置として使用されることが多く、数ヶ月〜1年以上保定を継続します。保定期間中も2〜3週間に一度の通院で、歯科医師が経過観察と微調整を行います。
5. 平均的な治療期間と効果の出方
顎顔面矯正は、急速拡大から保定までを含めて平均1年半〜2年で完了します。治療を通して、歯並びの改善だけでなく、顔の輪郭のバランス改善、鼻呼吸の定着、発音や嚥下機能の改善といった多方面への影響が期待されます。
顎顔面矯正治療のステップと期間
ステップ | 内容 | 期間の目安 | 装置の種類 |
初期診断 | 顔面骨格・咬合・呼吸の評価 | 初回〜1週間 | レントゲン、3DCT、診断ソフト |
装置設計 | 個別設計・製作 | 約2週間 | RPE、フェイスマスク等 |
拡大量期 | 急速拡大を実施 | 約1〜2ヶ月 | 固定式急速拡大装置 |
保定期間 | 骨再構築と安定化 | 約6ヶ月〜1年 | 装置継続使用または保定装置 |
経過観察 | 成長に合わせた調整 | 随時 | 拡大後の定期検査 |
床矯正の治療フローと自宅管理の注意点
床矯正は、取り外し式の装置を使用して歯列の幅を広げたり、前歯の位置を調整する矯正法です。特に乳歯と永久歯の混合歯列期にある4歳〜9歳の子供に適しており、歯列のスペース不足を早期に解消する目的で用いられます。顎顔面矯正と異なり、自宅での装着管理が重要となるため、親子での連携が成功の鍵を握ります。
1. 初診と精密検査
床矯正もまずは精密検査から始まります。レントゲン・模型・口腔内写真などを使って、歯列の幅や咬合のズレ、永久歯の萌出予定を確認します。過蓋咬合や叢生、反対咬合など、軽度〜中度の不正咬合に有効と判断されれば、床矯正が提案されます。
2. 装置設計と装着開始
患者ごとの口腔構造に合わせて、拡大床(エキスパンションプレート)を設計し、製作されます。この装置は基本的に夜間就寝時や自宅にいる時間に装着するもので、1日14時間以上の装着が理想です。自宅での継続的な使用が必要なため、親御さんのサポートが欠かせません。
3. ネジ回しによる拡大管理
装置には拡大量のネジが組み込まれており、指定された頻度(一般的には2〜3日に1回)でネジを回すことで、歯列アーチを徐々に広げます。この工程は自宅で行うため、誤操作や装着忘れ、過度な拡大には注意が必要です。
4. トラブル対処と再作製の可能性
取り外し可能な装置である以上、破損・紛失・ペットの噛みつきなどのリスクがつきまといます。特に学童期の子供の場合、装置の取り扱いに慣れていないため、予備装置の用意や迅速な再製作対応が望まれます。
5. 平均的な治療期間と成果
床矯正の治療期間は、症例によって6ヶ月〜2年ほどと幅があります。歯列拡大によるスペース確保が目的であり、口呼吸や骨格改善などの機能的効果は限定的です。歯並びの将来的な本格矯正に向けた準備段階として位置づけるのが現実的です。
床矯正の治療フローと管理ポイント
ステップ | 内容 | 管理者 | 装置の種類 |
初期診断 | 咬合・スペース・発育の確認 | 歯科医師 | モデル分析、レントゲン |
装置作製 | 患者ごとのプレート設計 | 技工士 | 拡大床、咬合床 |
使用開始 | 就寝時などに装着開始 | 本人+保護者 | 1日14時間以上が理想 |
拡大量調整 | ネジ回しにより拡大 | 保護者管理 | 2〜3日に1回程度 |
経過観察 | 成長や効果に応じて再診 | 歯科医院 | 1〜2ヶ月に1回の通院 |
装置の装着時間・管理負担・通院頻度の比較
矯正装置の選択にあたり、装着時間・管理のしやすさ・通院の負担などは非常に大きな検討材料となります。顎顔面矯正と床矯正では、使用する装置の構造や患者・保護者が担う役割が大きく異なり、結果として治療の成功率や負担感に直結します。
1. 装置の装着時間の違い
顎顔面矯正では、基本的に固定式の装置を使用します。常時装着されており、日常生活の中で意識的な操作や取り外しは不要です。一方、床矯正では取り外し式の装置を1日14時間以上装着する必要があります。特に学校生活中は使用しないケースが多いため、夜間と在宅時間で補う必要があり、装着忘れが頻発すると効果に大きく影響します。
2. 管理負担と家庭での対応
固定式の顎顔面矯正は、患者本人も保護者も日々の管理負担がほとんどありません。洗浄なども基本的には不要で、治療の自動化が可能です。対して床矯正は、装置の洗浄・ネジの調整・記録などを保護者が日常的に行う必要があり、継続的な管理力が問われます。
3. 通院頻度と診療内容
顎顔面矯正では、装置の調整や進捗確認のために、2〜3週間ごとの通院が必要です。一方、床矯正は1〜2ヶ月に1回の頻度が一般的ですが、装置の破損や紛失、調整の失敗などにより臨時の来院が発生することも少なくありません。
装置別の使用比較表
比較項目 | 顎顔面矯正 | 床矯正 |
装置タイプ | 固定式(常時装着) | 取り外し式 |
装着時間 | 常時(24時間) | 14時間以上/日 |
管理負担 | ほぼ不要 | 保護者による管理が必要 |
通院頻度 | 2〜3週に1回 | 1〜2ヶ月に1回(緊急来院あり) |
成果の安定性 | 管理に左右されにくい | 装着状況で効果が大きく変動 |
装置の選択は、治療目的だけでなく、ご家庭のライフスタイルや管理能力も重要な判断材料となります。どちらが優れているかではなく、「どちらがご家庭に合っているか」が成功の鍵です。
子供と大人で異なる矯正選択のポイント
成長期の骨格拡大と早期治療のメリット
子供の矯正治療、とくに顎顔面矯正においては「成長のタイミングを活かすこと」が極めて重要です。骨の可塑性が高い5歳〜10歳の時期は、骨格の発育を矯正によって正しく誘導できるため、単なる歯並びの改善にとどまらず、顔面の輪郭形成や鼻腔拡大、姿勢、呼吸機能にまで広く影響を及ぼします。
とくに近年では「口呼吸」が健康全般に悪影響を与える要因として注目されています。顎顔面矯正では、鼻呼吸への移行を促進することができ、これがいびき・睡眠の質の改善、集中力向上などに貢献します。これは床矯正や成人矯正では得にくい「全身への連動したメリット」であり、成長期だからこそ可能なアプローチといえます。
また、以下のような症状に心当たりがある場合は、顎顔面矯正が非常に有効です。
- 常に口を開けている
- 食べるのが遅く、よく噛めていない
- 姿勢が悪く、猫背になりやすい
- 鼻が詰まりやすく、口呼吸が多い
- 発音が不明瞭、舌足らずな話し方をする
上記は一見、歯列や咬合とは関係ないように見えますが、上顎の成長不足が原因となっているケースが非常に多くみられます。上顎が狭いと舌の位置が下がり、呼吸や嚥下、発語などあらゆる機能に影響を与えます。
成長期における矯正治療のもう一つの大きな利点は「抜歯の回避率の高さ」です。永久歯の生えるスペースが狭くなる前に骨格を広げることで、将来的に抜歯をせずに済む可能性が高まります。また、後戻りリスクも低く、保定装置の管理もしやすい時期です。
以下に成長期矯正の代表的なメリットをまとめました。
項目 | 内容 |
骨格の誘導 | 成長を利用して顎を広げ、顔面のバランスを整える |
呼吸機能の改善 | 鼻腔拡大による鼻呼吸促進、口呼吸の改善 |
抜歯の回避 | 歯列のスペースを確保することで抜歯の必要性を軽減 |
姿勢・身体機能への影響 | 頭部重心バランス改善により猫背・前傾姿勢の予防 |
成績や集中力にも効果 | 睡眠の質向上による日中の集中力・学習能力への好影響 |
このように、成長期の顎顔面矯正は見た目だけでなく、「全身の機能改善」を含む多角的なメリットがあります。逆にこの時期を逃すと、骨格のコントロールは困難になり、成人矯正では到達できない仕上がりになるケースもあります。保護者の判断が子どもの一生を左右することを意識し、早めの相談が推奨されます。
大人になってからでも顎顔面矯正はできるか?
顎顔面矯正は主に成長期の子供を対象とした治療ですが、大人になってからでも「骨格に対してのアプローチ」は不可能ではありません。ただし、顎の骨がすでに成長を終えているため、骨の拡大や形状の変化を起こすには限界があり、子どものような柔軟な反応は得られにくくなります。
このため、大人において骨格そのものの改善を目指す場合、以下のような外科的手術との併用が一般的です。
- 上顎骨の外科的拡大(SARPE)
- 下顎の前方移動術
- 下顎枝矢状分割術(SSRO)
特に重度の骨格性反対咬合や上顎劣成長が見られる場合は、こうした外科手術を伴う顎顔面矯正が選択されます。ただし、術後のダウンタイム、保険適用の有無、費用の問題など、患者の生活背景や希望とのすり合わせが必要です。
一方で、そこまで大掛かりな処置を望まない方にとっては、「審美目的に特化した顎顔面矯正的アプローチ」も存在します。たとえば、以下のような方法です。
- 頬骨幅や口元の突出感を軽減する咬合調整
- 舌の位置や機能を改善する口腔筋機能療法(MFT)
- 表情筋のトレーニングによる輪郭調整
- デジタル診断による美的バランスの分析と修正
このように、大人の顎顔面矯正は「機能改善+美的調整」という二軸で進むことが一般的です。完全な骨格改変は難しくても、顎や表情筋のバランスを調整することで、見た目の印象は十分改善可能です。
以下の表に、大人の矯正で期待できる内容をまとめました。
項目 | 内容 |
骨格的アプローチ | 限定的(外科手術の併用が必要) |
歯列的アプローチ | ワイヤーやインビザライン等で対応可能 |
機能改善 | 呼吸・咀嚼・発音などの補助的トレーニングが有効 |
美的調整 | 輪郭・口元・口角などのバランス修正 |
治療期間と費用 | 平均18ヶ月〜30ヶ月、費用は80〜150万円前後(術式により変動) |
つまり、大人でも顎顔面矯正的な視点は取り入れ可能です。ただし、治療計画は慎重に立て、メリット・デメリットの両面から正しく理解することが重要です。
まとめ
顎顔面矯正と床矯正の違いを理解することは、お子さまの将来の歯並びや顔面の発育、さらには呼吸機能にも大きな影響を与える重要なステップです。両者は単なる装置の違いではなく、作用する範囲や治療の目的、開始する適齢期にも大きな差があります。
とくに顎顔面矯正は、上顎の骨格拡大や鼻腔の改善など、呼吸や姿勢といった全身機能へのアプローチが可能であり、成長期の5歳から10歳に行うことで、治療効果が最大化されると報告されています。一方、床矯正は比較的早期の対応が可能で、主に歯列の拡大や歯並びの乱れを整えることに特化しています。
また、大人でも治療が不可能ではありませんが、骨格への影響は限定的であり、外科的処置やマウスピース矯正を併用するケースも少なくありません。年齢や成長段階によって選ぶべき治療法が変わるため、診断と計画は歯科医師の専門的な判断が不可欠です。
「費用がどのくらいかかるのか」「子どもに負担が少ない治療法はどちらか」といった疑問に対しても、各矯正法の特性を知ることで選択肢が明確になります。選び方を誤ると、再治療や後戻りといった二次的なリスクが発生する可能性もあるため、治療開始前の情報収集と正確な理解が非常に重要です。
ご家族にとって最適な治療法を選ぶためにも、今こそ違いを知り、信頼できる歯科医院での相談を始めてみてはいかがでしょうか。
さいわいデンタルクリニック札幌大曲は、患者様一人ひとりの笑顔を大切にし、その笑顔が持続することを目標としています。信頼関係の構築と妥協のない治療を約束しており、患者様の負担を軽減するために最新の設備を導入し、予約時間通りの診察を心がけています。
クリニックでは、一般歯科、口腔外科、小児歯科、矯正歯科、審美治療、予防歯科など幅広い診療科目をご提供しており、患者様の様々なニーズに応えることが可能です。特に、痛みの少ない治療、ホワイトニング、小児矯正など、患者様の快適さを重視した治療法をご提供しています。
患者様の健康と笑顔を守るために、スタッフ一同が全力でサポートいたします。

院名 | さいわいデンタルクリニック札幌大曲 |
---|---|
住所 | 〒061-1278北海道北広島市大曲幸町6丁目1 インターヴィレッジ大曲 |
電話 | 011-375-7653 |
よくある質問
Q. 顎顔面矯正と床矯正では顔つきや鼻の形に本当に変化がありますか
A. はい、顎顔面矯正は骨格全体に作用するため、鼻腔の拡大や上顎の前方成長によって、輪郭や鼻の形状に見た目の変化が出やすいです。とくに鼻呼吸への改善が期待できることで、顔面のバランスや姿勢にも好影響が報告されています。一方、床矯正は歯列の拡大が中心で、外見の変化は限定的となります。
Q. 顎顔面矯正は子どもが何歳から始められますか?成長期を過ぎても間に合いますか
A. 最も効果が高いのは5歳から10歳の成長期です。骨格の発達が活発なこの時期に始めることで、上顎や鼻腔の拡大、口呼吸の改善など多方面に効果が期待されます。大人になってからも治療は可能ですが、骨の可塑性が低下しているため、外科矯正やマウスピース矯正との併用が必要になることがあります。
Q. 顎顔面矯正と床矯正では通院頻度や管理の手間にどれくらい差がありますか
A. 顎顔面矯正は装置が固定されているため、日常の管理負担はほとんどなく、通院も2〜3週間に1回が目安です。対して床矯正は1日14時間以上の装着が必要で、保護者による記録管理や装置の清掃、破損リスクの対応が求められます。生活スタイルや保護者の協力度合いによって、どちらが適しているかが大きく異なります。
医院概要
医院名・・・ さいわいデンタルクリニック札幌大曲
所在地・・・〒061-1278 北海道北広島市大曲幸町6丁目1 インターヴィレッジ大曲
電話番号・・・ 011-375-7653