歯列の床矯正の特徴とは?適正年齢と注意点について解説

「子どもの歯並びが気になるけれど、いつ矯正を始めればいいのか分からない」「大人になってからでも床矯正は間に合うの?」と悩んでいませんか?

実は、床矯正は6歳〜15歳の成長期において高い効果を発揮するとされ、永久歯が生え揃う前にあごの骨格や歯列を整えることが可能です。小児歯科や矯正歯科の現場では、あごの拡大や歯の移動を無理なく促す装置が使われ、抜歯を回避できるケースも多く報告されています。

床矯正は取り外しができる装置であるため、学校や食事、発音に配慮しながら治療を進められるのが特徴です。

この記事では、歯科医師による診断から治療法の選び方、装着中の注意点、装置の管理方法まで詳しく解説しています。この記事を読めば、「自分の子どもに床矯正は本当に必要なのか?」「どのくらいの期間・費用がかかるのか?」という疑問もクリアになり、安心して一歩を踏み出せるはずです。今からでも遅くありません。歯並びの改善に向けて、正しい情報を手に入れましょう。

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さいわいデンタルクリニック札幌大曲は、患者様一人ひとりの笑顔を大切にし、その笑顔が持続することを目標としています。信頼関係の構築と妥協のない治療を約束しており、患者様の負担を軽減するために最新の設備を導入し、予約時間通りの診察を心がけています。
クリニックでは、一般歯科、口腔外科、小児歯科、矯正歯科、審美治療、予防歯科など幅広い診療科目をご提供しており、患者様の様々なニーズに応えることが可能です。特に、痛みの少ない治療、ホワイトニング、小児矯正など、患者様の快適さを重視した治療法をご提供しています。
患者様の健康と笑顔を守るために、スタッフ一同が全力でサポートいたします。

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院名さいわいデンタルクリニック札幌大曲
住所〒061-1278北海道北広島市大曲幸町6丁目1 インターヴィレッジ大曲
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床矯正とは?取り外し式矯正装置の仕組みと特徴を徹底解説

床矯正とワイヤー矯正の違いとは

床矯正は、主に成長期の子どもに向けた取り外し可能な矯正装置を使う治療法で、顎の成長を利用して歯列のスペースを広げ、歯並びを整えるのが特徴です。一方、ワイヤー矯正は固定式の装置を使い、歯そのものを動かして並べ替える治療法です。両者には目的・方法・治療対象・効果・負担など、多くの違いがあります。

床矯正の最大の特徴は、成長中の顎を拡大することで、抜歯をせずにスペースを確保できる点です。これにより、将来的に歯列全体が自然に整いやすくなり、咀嚼機能や発音、さらには顔貌のバランス改善にも繋がります。特に乳歯と永久歯が混在している混合歯列期に始めることで、骨格そのものの誘導が可能です。

一方で、ワイヤー矯正は永久歯が生え揃った中学生以降や大人を対象とし、歯を直接動かすため精密性に優れています。ただし、歯を並べるスペースが足りない場合は抜歯を前提とした治療計画になることも多く、治療に伴う痛みも一定期間継続することが一般的です。

床矯正は「成長期のうちに非抜歯で矯正したい」「目立たない装置で子どもの負担を減らしたい」といったニーズに合致します。一方で、精密な歯列改善を求める場合や、成人で顎の成長が終了しているケースではワイヤー矯正の方が効果的です。どちらの方法が最適かは、成長状態・歯並び・希望する見た目・費用など、総合的な判断が重要です。

床矯正に使われる装置の種類と構造

床矯正で使用される装置は、すべて「床(しょう)」と呼ばれるレジン製のプレートに金属製のネジやワイヤーを取り付けた構造で、患者の上顎または下顎に装着します。装置は取り外しができ、歯科医師の診断によって週1〜2回ネジを回して徐々に顎を広げる設計です。床矯正に用いられる装置には、目的に応じたいくつかの種類があります。

  1. 拡大床(かくだいしょう)
    最も一般的な装置で、中央にスクリューがあり、ネジを少しずつ回すことでプレートが左右に広がり、顎を徐々に拡大します。上顎用と下顎用があり、歯列の拡大とともに口腔内のスペースを確保します。
  2. 前方牽引装置
    上顎前突(出っ歯)などに使用される補助的な装置です。主に上顎の成長を促進または抑制し、上下顎の骨格バランスを整える役割があります。
  3. 保定装置(リテーナー)
    拡大が完了した後、歯列を安定させるために使われる装置です。床矯正の終了後に後戻りを防ぐ目的で使用します。取り外しが可能で、就寝時などに使用することが一般的です。
  4. 部分矯正用装置
    特定の歯だけを動かすために用いられる床装置で、1〜2本の歯の傾きを改善したい場合に使用されます。咬合や歯列の調整を局所的に行えるため、限定的な矯正希望にも対応できます。

装置の素材には、金属アレルギー対応のニッケルフリー素材を使用する医院もあり、アレルギー体質の子どもにも配慮されています。また、近年では色付きの床やキャラクターデザインなどを選べる医院もあり、お子さんのモチベーション向上につながっています。

装置の選択は、年齢・顎の成長度合い・歯列の状態・目標とする改善レベルによって異なります。矯正歯科での精密検査・レントゲン・セファログラムによる分析に基づいて最適な装置が提案されます。特に混合歯列期の小児では、早期の診断と適切な装置選びがその後の治療効率に大きく影響します。

取り外しできる利便性と注意点

床矯正装置は取り外しが可能な点が、子どもや保護者にとって大きなメリットです。歯みがきや食事がしやすく、衛生的な状態を保ちやすいことから虫歯や歯肉炎のリスクも低減できます。また、スポーツや楽器演奏などのシーンでも、一時的に外すことで生活への影響を最小限に抑えることが可能です。

ただし、利便性が高い一方で、治療効果を左右するのは「装着時間の確保」に尽きます。一般的に、1日14時間以上の装着が推奨されており、これを下回ると十分な拡大力が発揮されず、予定された治療期間が延びる、あるいは治療そのものが失敗に終わるリスクがあります。

取り外し装置の注意点としては以下の通りです。

  • 装置を紛失・破損するリスクがある(学校や外出先で外す場合に注意が必要)
  • 装着忘れによる後戻りや進行の遅れが起こりやすい
  • 成長期に合わせた定期的な調整が必要で、通院の継続が前提となる
  • ネジの回し忘れや誤操作によって、正しい拡大が行われない場合がある

また、着脱のたびに清掃が必要であり、専用のブラシや洗浄剤を使用してのメンテナンスが求められます。特に小学校低学年のお子さまでは、装置の管理を保護者がしっかりとサポートする体制が必要です。

一方で、取り外し可能という柔軟性から、子ども自身の自己管理能力を育てる一助になるという見方もあります。通院の際には治療経過を確認しつつ、装置の装着状態や使用状況を記録した装着ノートなどを使って、習慣化と動機づけをサポートする取り組みも効果的です。

取り外し可能という利点を最大限活かすためには、医院側の丁寧な指導と保護者・本人の理解、協力が欠かせません。正しい装着時間と清潔な管理が実現されれば、床矯正は高い効果をもたらす治療法として信頼されています。

床矯正の効果とメリット

顎の拡大がもたらす自然な歯並びへの改善

床矯正の最大の効果は、顎の骨格そのものを拡大することで、将来的に自然な歯並びへと誘導できる点にあります。特に成長期にある子どもにおいては、骨の柔軟性と成長スピードを利用し、顎の幅や奥行きを適切に広げることができます。これにより、永久歯が生えてくるための十分なスペースを確保でき、抜歯を伴わない非侵襲的な歯列矯正が実現します。

顎の成長が不十分なまま永久歯が生えてくると、歯は並ぶスペースを確保できずに重なったり、前後左右に傾いたり、いわゆる「ガタガタの歯並び」や「出っ歯」「受け口」などの不正咬合を招きやすくなります。床矯正では、拡大装置を使ってこの骨格そのものを変化させるため、歯列だけでなく咬み合わせのバランスやあごの形状改善にも効果を期待できます。

特に有効なのは以下のケースです。

  • 上下の前歯が重なっている(叢生)
  • 上顎が狭く、歯列弓がV字型に尖っている
  • 顎が小さく、歯が前方に押し出されている
  • 下顎が内側に入り込みやすく、受け口気味である

顎の拡大は、一般的に5歳〜10歳の間がもっとも効果的とされ、永久歯の萌出前にスペースを広げることで歯が自然な位置に並びやすくなります。特に上顎は成長初期に骨が分かれているため、中央の縫合部分を広げることで無理なく拡大できます。一方で、下顎の拡大はやや難易度が高く、慎重な診断と定期的な調整が求められます。

以下は、床矯正による改善が期待できる効果の一部です。

改善対象床矯正による効果
歯並びの乱れ歯列弓を広げることで自然な歯並びに近づく
発音障害・滑舌舌の可動域が広がり、発音が明瞭になる
咀嚼・消化機能正しい咬み合わせによって咀嚼が効率化
顔のバランス顎の幅が整い、左右対称に近づく
呼吸機能鼻腔が広がることで鼻呼吸がしやすくなる

成長段階で顎を適切に広げることは、歯列矯正のみならず、発達全体において大きなプラス要因になります。単に見た目の改善にとどまらず、子どもの健康的な発育を支える意味でも、早期の床矯正導入は大きな意味を持っています。

抜歯を回避できるケースと条件

床矯正の最大のメリットの一つが、永久歯を抜かずに治療が完了する可能性が高いことです。特に混合歯列期(乳歯と永久歯が混ざった時期)に開始した場合、顎の拡大によって永久歯が生えるための十分なスペースが確保されるため、抜歯が不要になるケースが多く見られます。

抜歯を避けられるかどうかは、以下の要因によって決まります。

  • 顎の成長予測(特に上顎と下顎のバランス)
  • 永久歯の大きさと本数
  • 歯列に必要なスペースの総量
  • 顎骨の拡大可能性と年齢
  • 患者本人の協力度(装着時間の遵守など)

たとえば、上顎の歯列弓を拡大することで前歯の重なりが解消され、犬歯や小臼歯が自然に並ぶスペースができる場合は、抜歯の必要はなくなります。また、下顎の拡大も併用できれば、上下の咬み合わせバランスも整いやすく、全体として自然な歯列が完成する可能性が高まります。

ただし、すべての症例で抜歯を回避できるわけではありません。以下のようなケースでは、床矯正単体では限界があり、抜歯を伴うワイヤー矯正が必要になることもあります。

  • 永久歯が極端に大きく、拡大しても並びきらない
  • 下顎の骨格成長が上顎に対して過剰または不足している
  • 成長期を過ぎており、骨格的な拡大が難しい
  • 装着時間が著しく守られなかったために計画通りに拡大が進まなかった

歯の大きさや顎のスペースは、レントゲン写真や3Dスキャン、セファログラム(頭部X線規格写真)などの検査によって正確に診断されます。矯正歯科では、これらのデータをもとに将来の成長シミュレーションを行い、最も適した治療方法を判断します。

抜歯の有無は保護者や本人にとって大きな関心事ですが、無理に非抜歯にこだわると、結果として歯並びや咬み合わせの質が下がるリスクもあるため、医師との十分な相談が重要です。

床矯正のデメリットと失敗例

装着時間を守らないことによる効果減

床矯正は、取り外し可能な装置を使って顎を拡大し、歯並びを整える矯正方法です。特に成長期の子どもに対して効果的とされていますが、治療の成否は「装着時間の厳守」に大きく左右されます。指定された時間(通常1日14時間〜20時間)を守らなかったことで起こる失敗例や、非対称な矯正結果、後戻りの事例も少なくありません。

実際、歯科医師が装置を「1日15時間以上装着すること」と指示しても、学校や遊び、就寝時の不快感から装着を怠るケースが続くと、計画していた歯の移動が不完全となります。結果として「歯が思った位置まで動かない」「噛み合わせがずれてしまう」といった状況に陥るのです。

特に子どもにおいては、保護者の管理が甘いと装着時間の遵守が困難です。下記のように、装着時間と矯正効果の関係は明確に相関します。

装着時間(1日あたり)矯正効果の傾向リスクの高まり
16〜20時間十分な効果を発揮ほぼなし
10〜15時間効果が不安定わずかに後戻り
10時間未満矯正の進行が鈍化歯列の非対称化・後戻り
装着を忘れがち効果が出ない初期状態に戻る恐れ

このように、矯正期間中に装着時間を怠ると、たとえ一時的に改善した歯並びでも「後戻り」が起きるリスクがあります。後戻りとは、矯正装置によって動かした歯が、元の位置に戻ろうとする現象で、矯正終了後に再びスペースが不足したり、出っ歯化する事例が多く報告されています。

また、左右均等に装置を装着しない、噛み締め時に圧力が偏る、なども歯列の非対称につながります。これは顎の骨の成長をコントロールする床矯正の性質上、装着バランスが崩れると「片側の歯列だけ広がる」「片側だけ噛み合わせが深くなる」といった深刻な問題に発展するのです。

さらに、定期的な通院と調整が行われずに放置されたケースでは、装置が合わなくなり、痛み・違和感の原因となり、装着が継続できなくなって治療中断に至る場合もあります。

このような失敗を避けるためには以下の対応が必須です。

●保護者による装着時間のチェックと管理
●学校や就寝時の装着を習慣化
●月1回以上の通院による調整と診察
●痛みや違和感が出た際の速やかな受診

装着時間を軽視すると、数十万円の矯正費用が無駄になるどころか、逆に噛み合わせが悪化し、将来的に再治療が必要になることもあります。特に小児矯正においては、日々の装着の「継続」が効果に直結するという事実を、親子で共有し徹底管理することが成功の鍵です。

成長スピードとのズレが招く後戻りリスク

床矯正は、成長期の「骨の柔軟性」と「発育タイミング」を利用する治療法です。しかし、実際の成長スピードは子どもごとに異なり、そのズレを読み違えると矯正のタイミングが合わず、後戻りの原因になります。

成長スピードを無視した矯正の代表的な失敗例は、「乳歯がまだ残っている段階で早期に装置を装着しすぎた」「永久歯が生えるタイミングと合わず装置がフィットしなくなった」といったものです。これは治療計画の根幹に関わる重大な問題であり、矯正効果を半減させるだけでなく、顔貌の非対称や噛み合わせのズレに直結します。

また、成長曲線は男女や体格によって異なり、平均的な年齢だけでは判断できません。そのため、事前に顎の成長予測を行う「頭部X線規格写真(セファログラム)」の検査が重要です。これは骨格のバランスや成長方向を可視化するもので、床矯正の成功確率を大きく左右します。

治療が遅すぎた場合は、骨が固まり装置の効果が出にくくなり、抜歯やワイヤー矯正に切り替える必要が出てくることもあります。反対に、早すぎる治療開始では、乳歯の抜け変わりや顎の成長に追いつかず、せっかく広げたスペースが元に戻る「再閉鎖」が起きることも。

これらを防ぐには、以下の視点が不可欠です。

●骨の成熟度に応じた装置選定
●毎年の成長曲線の測定と治療計画の微調整
●顎の拡大スピードに合わせた定期的な再評価

矯正治療は一度始めると数年単位の長期戦になります。特に床矯正は「今が最適なタイミングかどうか」が成功を左右する最大のポイントであり、治療時期の判断を誤ると、時間と費用の両方を無駄にする結果になりかねません。

床矯正は何歳から何歳まで可能?子供と大人の適用年齢と注意点

小児矯正(5歳〜12歳)での最適な開始タイミング

小児期の床矯正は、特に成長期の骨格が柔軟な時期を活用することで高い治療効果が期待できます。一般的に、乳歯から永久歯への交換が始まる5歳から12歳の間が、床矯正の最も適したタイミングとされています。

特に注目されるのが「混合歯列期(6歳〜9歳)」です。この時期は、上下の前歯が永久歯に生え変わり、顎の発達も著しく進むため、装置による骨格的な誘導が可能です。また、この期間に始めることで、抜歯リスクやワイヤー矯正への移行を最小限に抑えられるとされています。

以下に年齢ごとの床矯正の適齢期とその特徴をまとめました。

年齢発達段階床矯正の効果注意点
5〜6歳乳歯列期顎の発育誘導に有効装着時間の管理が保護者依存
6〜9歳混合歯列前期骨格修正とスペース確保に最適定期的な装置の調整が必要
10〜12歳混合歯列後期歯列の仕上げ調整に有効永久歯の生え揃い状況に注意

このように、年齢ごとに治療効果と目的が異なるため、適切な時期に正しい診断を受けることが重要です。また、保護者の協力も不可欠で、日々の装着管理や定期的な通院が求められます。

中高生の矯正とその効果・限界

中学生から高校生にかけての矯正は、永久歯列が完成した後のため、主に歯列矯正の仕上げや噛み合わせ調整を目的とします。特に14歳〜17歳の時期は、成長ホルモンの分泌が活発なため、床矯正でも一定の効果が見込めます。

ただしこの年齢では、顎の骨の発達がほぼ終了しているケースが多いため、床矯正だけで骨格の大きな改善を行うのは難しく、ワイヤー矯正やマウスピースとの併用が検討されることが一般的です。

また、思春期特有の見た目の意識や学校生活への配慮も必要です。取り外しが可能な床矯正は、部活動や食事への柔軟な対応ができる点で一定の利点がありますが、逆に自己管理能力が未熟な場合は治療効果が得られにくいといったデメリットも存在します。

大人でも可能?

近年、床矯正は「子ども専用の治療法」というイメージから脱却しつつあり、20代から40代の大人にも適用されるケースが増加しています。特に「軽度の歯列の乱れを改善したい」「過去に矯正をしたが後戻りしてしまった」「できるだけ目立たずに費用を抑えて治療したい」といったニーズに対して、床矯正が再注目されているのです。

大人の床矯正では、あごの骨格がすでに成長を終えているため、歯列の拡大効果には限界があります。そのため、床矯正単独では対応できない症例に対しては、インビザラインやワイヤー矯正との併用治療が選ばれることもあります。たとえば、軽度の叢生(ガタガタの歯並び)であれば床矯正単独で治療が可能ですが、中度以上の歯列不正や骨格的なずれを伴う場合は、矯正歯科で複合的な治療計画が立てられるのが一般的です。

成人矯正の成功率は症例の選定と治療計画の精度によって大きく左右されます。床矯正単独での対応が可能なケースとしては、以下のような条件が挙げられます。

・軽度〜中度の歯列不正(主に前歯のデコボコやわずかな傾き)
・抜歯を伴わない治療が前提となる
・装置の装着時間(1日12時間以上)を自己管理できる
・月に1〜2回程度の通院頻度を守れるスケジュール管理ができる

特に大人は自己管理能力が高く、装着時間を守りやすいため、計画通りに進められる可能性が高くなります。これは、治療の「成功率」に大きく貢献する要素であり、実際に矯正歯科では成人の床矯正による満足度の高い結果も報告されています。装着のしやすさ、費用の手頃さ、そして見た目の変化への期待から、「まずは床矯正で様子を見たい」という患者も少なくありません。

一方で、成人の床矯正における注意点もあります。まず、骨格的な拡大が見込めないため、装置の設計には細心の注意が必要です。また、治療効果が出るまでの期間も子どもに比べてやや長くなる傾向があり、平均して1年半から2年程度が目安とされます。

さらに、成人矯正では「審美性」や「ビジネスシーンでの装置の見え方」に対する配慮も重要なポイントとなります。そのため、目立ちにくいクリア素材の装置や、生活スタイルに合わせた装着指導など、患者ごとのニーズにきめ細かく対応することが求められます。

結論として、床矯正は20代〜40代の大人にも「適応できる可能性」が十分にあり、正確な診断と専門的な治療計画のもとであれば、高い成功率が期待できます。治療法や効果、装置の装着スケジュール、通院計画を歯科医師としっかり相談し、無理のない形で取り組むことが「後悔しない大人の矯正治療」への第一歩です。

床矯正の治療期間と通院頻度

平均治療期間

床矯正の治療期間は、対象となる年齢や歯列の状態によって大きく異なります。特に子どもの場合は成長を利用できるため、比較的短期間での効果が見込める一方で、大人は骨格の変化が起きにくく、治療に時間を要する傾向があります。

小児の場合、混合歯列期(前歯が永久歯へと生え変わる6歳〜9歳)に始めることで、顎の拡大や歯列のスペース確保といった骨格的アプローチが可能です。この時期に床矯正を始めると、将来的な抜歯や外科矯正のリスクを大きく低減できます。

一方、中高生や成人の場合は、骨格自体を動かすのではなく、歯の位置を調整する目的での矯正が中心になります。特に成人では、マウスピース矯正やワイヤー矯正との併用が一般的であり、症例によっては治療期間が30ヶ月を超えることもあります。

治療期間はあくまで目安であり、以下のような要素で前後する可能性があります。

・初診時の歯列や噛み合わせの状態
・患者本人の装置装着時間の遵守状況
・装置の種類(ネジ付き・拡大床など)
・歯科医師の治療方針や装置の調整頻度

このように、床矯正の治療期間は一律ではなく、患者一人ひとりの年齢や症状に応じてカスタマイズされます。治療を始める際には、矯正歯科での詳細な診断を受け、最適な開始時期と治療計画を立てることが重要です。

月1回の通院は必要?

床矯正では基本的に月1回の通院が推奨されています。これは装置の調整や成長・歯列の変化を定期的に確認し、治療計画を微調整するために必要不可欠なプロセスです。

毎回の通院で行われる主な内容は以下の通りです。

  1. 口腔内の診察と歯列の変化チェック
  2. 装置のネジの調整や交換
  3. 装着状況の確認と使用時間のヒアリング
  4. トラブル(痛み・違和感)の対応
  5. 次回までの使用方針や注意事項の指導

月1回の通院スケジュールのモデルケースは次のとおりです。

通院回数主な処置内容装置の変化医師の評価ポイント
初回型取り、診断、装置装着装着開始噛み合わせ・歯列の初期状態把握
2〜4回目ネジの調整、歯列チェック徐々に拡大装置が適切に作動しているか確認
5〜8回目新しい装置への切替も検討拡大から位置調整へ歯の移動状況を評価
9回目以降調整・保定へ移行装置の使用頻度を減らす可能性も安定した歯列の維持確認

このように、通院ごとに役割と目的が明確に設定されています。特に成長期のお子様の場合は顎や歯列の変化が急速なため、1ヶ月に1回の定期診療が治療の成功に大きく寄与します。

また、自己調整タイプの装置を使用している場合も、自己判断でネジを回しすぎたり、逆方向に回してしまうなどのトラブルが起こりがちです。そのため、専門の歯科医師による管理が極めて重要です。

通院を怠った場合、以下のようなデメリットが発生する可能性があります。

・治療計画のズレにより治療期間が延びる
・装置の不具合による不快感や痛み
・歯列の移動が不均等になり後戻りのリスクが上昇

床矯正は単に「装置をはめるだけ」ではなく、継続的な通院と精密な調整を重ねることで初めて効果を発揮します。月1回の通院はその土台を支える極めて重要な要素です。

食事・発音・日常生活での注意点

床矯正装置は取り外し式であることが多く、食事や会話の際に大きな変化を感じる患者も少なくありません。しかし、事前に知識を持ち、正しい対処法を理解することで、ストレスを最小限に抑えることが可能です。

まず、床矯正中によくある日常生活での変化と対処法を一覧にまとめます。

項目よくある問題対策方法
食事装置に食べ物が挟まりやすい食前に装置を外し、食後は丁寧な歯みがきと水洗い
発音サ行やラ行の発音が不明瞭になる毎日数分の発声練習を習慣化し、装置に慣れる時間をつくる
口臭装置の洗浄が不十分だと臭いの原因に装置専用の洗浄剤を使用し、1日1回は必ず清掃
運動転倒や衝撃で装置が外れるリスク体育や運動時は装置を外し、専用ケースで保管
睡眠違和感により寝苦しさを感じる最初の1週間は徐々に装着時間を延ばし慣れるようにする

発音の変化については、特にお子さまが授業中や日常会話で不安を抱えることがあります。しかし、発音への影響は一時的なものであり、多くの場合1〜2週間で慣れて問題なく会話できるようになります。

また、装置の清掃を怠ると、虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、装置自体の劣化にもつながります。歯科医院では専用の洗浄剤やクリーニング方法の指導も行っているため、初期段階での正しい知識の取得が大切です。

さらに、保護者が子どもの装着状況を確認し、管理する体制が整っている家庭では、治療の成功率が高まる傾向にあります。とくに食後や就寝前のルーティンを定着させることが鍵となります。

日常生活における小さな不便は確かに存在しますが、長期的に見ると床矯正は歯列と顔貌のバランスを整える上で大きな効果を持ちます。生活習慣を少しずつ見直すことが、治療成功への近道です。

まとめ

床矯正は、特に成長期の子どもにとって効果的な矯正治療法です。あごの骨が柔らかい時期に装置を装着することで、歯列や骨格の自然な拡大を促し、抜歯を回避できる可能性が高まります。大人でも治療は可能ですが、骨の硬化や歯の移動に時間がかかるため、子供と比べて治療期間が長くなります。

治療中は取り外し式の装置を使用することが多く、食事や歯みがきがしやすいというメリットがあります。ただし、発音や装着時の違和感に慣れるまで数週間を要することもあり、特に学校生活や日常の会話における配慮が必要です。食事では装置の破損を防ぐため、硬いものや粘着性の強い食品は控える工夫も求められます。

この記事では、通院の流れや装置の調整ポイント、装着中の生活上の注意点などを丁寧に解説しました。実際に治療を受けるかどうかの判断には、歯科医師による診断と検査が欠かせません。放置すると将来的にワイヤー矯正や外科的手術が必要になるリスクもあるため、早期の対応が後悔を防ぐ第一歩です。

床矯正に不安や疑問がある方は、信頼できる矯正歯科や小児歯科で相談し、成長段階やライフスタイルに合った治療方針を立てることをおすすめします。あなたのお子さん、もしくはご自身の歯並びと健康のために、最適なタイミングで一歩を踏み出しましょう。

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患者様の健康と笑顔を守るために、スタッフ一同が全力でサポートいたします。

さいわいデンタルクリニック札幌大曲
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よくある質問

Q. 床矯正の費用はどれくらいかかりますか?ワイヤー矯正より安いのでしょうか?
A. 床矯正の費用は医院によって異なりますが、一般的には初期費用が10万円から30万円前後、全体の治療費は30万円から60万円程度が目安です。一方、ワイヤー矯正は平均で60万円から100万円以上かかるケースも多く、床矯正は比較的安価に始められるのが特徴です。ただし、通院回数や調整の頻度によって追加費用が発生することもあるため、事前に治療費の内訳を確認することが重要です。

Q. 床矯正は何歳まで受けられますか?大人でも効果はあるのでしょうか?
A. 床矯正は基本的に成長期の子どもに向いていますが、大人でも20代から40代で治療を受けるケースは少なくありません。特に骨格の変化が少ない症状であれば、装着による歯列の移動は十分に可能です。大人の場合、装着時間の徹底や調整の精度が効果を左右するため、症例に詳しい歯科医師による診断がカギとなります。

Q. 装着時間を守らないとどうなりますか?どれくらいの時間をつければいいのですか?
A. 床矯正では1日14時間以上の装着が推奨されており、特に夜間を中心に装着することが効果を高めるポイントです。装着時間が不足すると、歯が移動しきれずに後戻りが起きたり、左右非対称の歯列になるリスクがあります。また、装置が合わなくなることで再作製が必要になるケースもあるため、装着時間の管理は非常に重要です。スマホのアラーム機能などを使って、習慣化を心がけると良いでしょう。Q. 食事や発音に支障はありますか?日常生活への影響が心配です
A. 床矯正の装置は取り外し式のため、食事中や歯みがきの際には外すことができ、基本的に支障は少ないとされています。ただし、発音に関しては慣れるまでに1週間から2週間ほどかかることがあり、特にサ行やラ行に違和感を覚えるケースがあります。食事では装置を外していても、硬い食べ物や粘着質のあるものは避けた方がよく、装置の破損や歯列のズレを防ぐためにも、日常生活での注意点を事前に把握しておくことが大切です。

医院概要

医院名・・・ さいわいデンタルクリニック札幌大曲
所在地・・・〒061-1278 北海道北広島市大曲幸町6丁目1 インターヴィレッジ大曲
電話番号・・・ 011-375-7653

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医療法人miraiさいわいデンタルクリニック