床矯正とインビザラインのどっちを選ぶべき?治療の違いと失敗しない選び方

「床矯正とインビザライン、どっちが子どもに合っているのか分からない」
そんな悩みを抱えていませんか?

最近は透明で目立たないマウスピース型矯正、いわゆるインビザラインが注目される一方で、従来の拡大装置を使った床矯正にも根強い支持があります。
しかし、この2つは見た目や装着感の違いだけでなく、効果の出方や適応する骨格タイプ、治療時期、小児の成長との相性まで、比較すべきポイントが非常に多いのが現実です。

たとえば、成長期の上顎拡大が必要なケースでは、床矯正が圧倒的に有利。逆に、審美性や通学中のストレスを重視するならインビザラインに軍配が上がります。ただし、インビザラインは1日20時間以上の装着管理が必須であり、習慣化が難しい子どもには向かないことも。

この記事では、矯正歯科の実際の診療現場でよくある具体的な症例や失敗例、保護者の口コミ、費用の違い、矯正の成功率や治療期間の差まで詳しく比較・解説します。

読み終える頃には、「自分の子どもに本当に合う矯正方法」が明確になります。
後悔のない選択をしたいなら、まずは正しい違いを知ることから始めませんか?

小児矯正・床矯正・歯科矯正・マウスピース矯正ならさいわいデンタルクリニック札幌大曲

さいわいデンタルクリニック札幌大曲は、患者様一人ひとりの笑顔を大切にし、その笑顔が持続することを目標としています。信頼関係の構築と妥協のない治療を約束しており、患者様の負担を軽減するために最新の設備を導入し、予約時間通りの診察を心がけています。
クリニックでは、一般歯科、口腔外科、小児歯科、矯正歯科、審美治療、予防歯科など幅広い診療科目をご提供しており、患者様の様々なニーズに応えることが可能です。特に、痛みの少ない治療、ホワイトニング、小児矯正など、患者様の快適さを重視した治療法をご提供しています。
患者様の健康と笑顔を守るために、スタッフ一同が全力でサポートいたします。

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床矯正とインビザライン!まずは基本から正しく理解

床矯正とは?骨格の拡大を目指す装置の特徴と適応年齢

床矯正は、顎の成長を促すことで歯が並ぶためのスペースを確保し、永久歯が正しい位置に生えるよう導く矯正方法です。主に小児期、特に6歳から12歳頃の成長期に適しており、骨格的な問題に対する早期介入が可能です。取り外し可能な装置を使用するため、食事や歯磨きの際に衛生的な対応がしやすいのも利点といえます。

この治療は、永久歯が生えそろう前の時期に行うことで、後の大掛かりな矯正を回避できる可能性があります。顎が小さく歯が並ぶスペースが不足している場合や、かみ合わせのバランスが悪い場合などに効果的とされています。特に上顎の成長が不十分な子どもには、床矯正で上顎を拡大することが有効です。

一方で、床矯正には保護者の協力が欠かせません。毎日の装着時間が重要で、適切な時間(一般的に14〜16時間以上)の装着が守られないと、効果が薄れたり、後戻りしてしまうことがあります。また、成長が進んだ中学生以降では骨格の拡大が難しくなるため、適応年齢を見極めた上で早期に開始することが推奨されます。

次に、床矯正に関する典型的な不安として、「意味がないのではないか」「装置が大きくて子どもが嫌がる」「後悔するケースはあるのか」といった声が多く見られます。これらに対する正確な知識を持つことが重要です。まず、床矯正が意味をなさないと言われるケースの多くは、装着時間が不十分だった、または骨格的な問題が強すぎて改善が難しかった場合です。逆に、適切なタイミングで、必要な期間、十分な装着ができれば、大きな改善が見込まれます。

装置の装着感についても、近年ではコンパクトで違和感の少ないタイプが開発されており、過去に比べると装着時のストレスは軽減されています。さらに、クリニックによっては装置のカラーやデザインを選べるところもあり、子どものモチベーション維持に工夫を凝らしています。

費用についても気になるポイントです。床矯正の費用は地域やクリニックによって異なりますが、一般的には20万円から40万円前後が相場とされています。月額の分割支払い制度や医療費控除の対象にもなることが多いため、経済的負担を抑えた通院が可能です。

以下に、床矯正の特徴をまとめた表を掲載します。

項目 内容
適応年齢 6歳〜12歳
装置の特徴 取り外し可能、成長を利用して顎を拡大
費用目安 20万円〜40万円程度
装着時間 1日14〜16時間以上が推奨
対応できる症例 顎の狭さ、出っ歯、受け口、歯列不正の予防など
メリット 痛みが少ない、成長を活かせる、将来の矯正負担軽減
デメリット 装着時間の管理が必要、効果は年齢や協力度に左右される

床矯正は、永久歯が生える前に始めることで、より自然な歯並びへと導ける選択肢です。成長期のお子さんをもつ保護者であれば、早い段階での相談・診断が理想といえるでしょう。

インビザラインとは?目立ちにくくて取り外せるマウスピース矯正

インビザラインは、透明なマウスピース型の矯正装置を用いて歯を徐々に動かす治療法です。外見からはほとんど装置が見えないため、審美的に優れており、特に思春期のお子さんや見た目を気にする家庭から多くの支持を得ています。治療中も通常通りの生活を送りやすく、口腔内の衛生管理もしやすいという特徴があります。

取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際にストレスを感じにくく、虫歯のリスクも比較的低いとされています。ただし、この「取り外せる」という点がデメリットにもなり得ます。つまり、装着時間をしっかり守れないと効果が出にくくなるのです。インビザラインでは、1日20時間以上の装着が推奨されており、子ども自身の自己管理能力が問われます。

また、骨格的な問題があるケースや、歯のねじれや回転など複雑な症例には、マウスピース単独では対応できない場合もあります。こうした場合には、インビザライン専用の補助装置や、ワイヤー矯正との併用が必要になることもあります。特に、上顎の拡大が必要なケースでは「口蓋拡大装置(拡大床)」との併用が検討されます。

費用については、床矯正と比較してやや高額となる傾向があります。地域によって異なりますが、小児向けインビザライン「ファースト」の場合、総額で40万円から70万円程度が一般的です。ただし、最新技術を用いたデジタルスキャンや治療計画ソフトによって、より正確な診断と治療計画が可能となっており、トータルでの満足度が高い傾向にあります。

インビザラインの特徴を以下の表にまとめました。

項目 内容
適応年齢 永久歯の萌出開始〜成人まで
装置の特徴 透明なマウスピース型装置、取り外し可能
費用目安 40万円〜70万円程度
装着時間 1日20時間以上が理想
対応できる症例 軽度〜中程度の歯列不正、出っ歯、すきっ歯など
メリット 目立たない、痛みが少ない、口腔衛生を保ちやすい
デメリット 自己管理が必要、骨格へのアプローチは困難

近年では、小児向けのマウスピース矯正は全国的に需要が高まりつつあり、インビザラインを導入している歯科医院も増加しています。治療前にカウンセリングを受け、症例に合った方法かどうかを専門家に相談することが重要です。

床矯正とインビザラインの違いを比較

歯列への効果の違い

床矯正とインビザラインはともに歯並びを整える治療方法ですが、その根本的なアプローチと対応できる症例には明確な違いがあります。特に出っ歯や受け口といった骨格的要因を含む症状では、それぞれの治療効果を正確に理解することが重要です。

床矯正は、主に6歳から12歳の成長期に適した治療法です。顎の骨が柔らかい時期に、取り外し可能な床装置を用いて上顎や下顎を物理的に拡大し、歯が正しく並ぶためのスペースを確保します。とくに上顎が狭く、出っ歯の原因となっているケースでは、上顎の幅を広げてかみ合わせを整える効果が期待できます。受け口(反対咬合)にも対応可能で、症例によっては前歯の傾きを改善し、顔貌のバランスにも良い影響を与えることがあります。

一方、インビザラインは歯そのものを移動させることを目的としたマウスピース矯正です。透明なアライナーを使って、歯を段階的に動かす仕組みで、主に軽度から中等度の歯列不正に効果を発揮します。骨格性の問題への直接的なアプローチはできないため、重度の出っ歯や受け口のケースでは対応が難しい場合があります。しかし、スペース不足による歯の傾きやねじれなどには非常に高い精度で対応できます。

以下の表は、それぞれの矯正方法が対応可能な主な症状を比較したものです。

対象症状 床矯正の適応 インビザラインの適応
出っ歯(上顎前突) 高い効果 軽度のみに有効
受け口(反対咬合) 症例により対応 非対応または困難
叢生(歯の重なり) 顎を広げることで対応 高い効果
すきっ歯 スペース管理で対応 精密に調整可能
顎の骨格の狭さ 有効(特に成長期) 非対応

床矯正は顎骨の成長を利用する治療であるため、永久歯が生えそろう前に開始することが重要です。反対に、インビザラインは永久歯列完成後の微調整に適しており、成人にも適応可能です。どちらを選ぶかは、症状の種類と重さ、年齢、さらには保護者の管理体制によっても左右されます。

期間と通院頻度の差

矯正治療を検討する際に多くの保護者が気にするのが、治療にかかる期間と通院の頻度です。日々の生活スケジュールや通学、保護者の送迎などに影響するため、各治療法の違いを事前に知っておくことは非常に重要です。

床矯正の場合、治療期間は症例によって異なるものの、一般的には1年から3年程度とされています。成長期を活用するため、6歳から12歳前後の混合歯列期にスタートするのが理想とされます。通院頻度は月に1回が一般的で、その際に装置の調整や使用状況の確認が行われます。

一方、インビザラインは症状により1年から2年程度が平均的な治療期間となります。マウスピース型装置は2週間ごとに自宅で交換する仕組みであるため、来院は1〜2ヶ月に1回と比較的少なくて済むのが特徴です。デジタルスキャンやAIによるシミュレーションを取り入れている医院では、通院間隔をさらに広げられるケースもあります。

費用や時間に加え、装置のメンテナンス性も通院頻度に影響を与える要素です。床矯正では装置が壊れた場合や装着時間が守れていない場合、予定よりも治療期間が長引くリスクがあります。インビザラインでも、装着時間が不足すると予定通りに歯が動かず、再スキャンや再作製が必要になる場合があります。

下記に床矯正とインビザラインの通院・治療期間の比較をまとめました。

項目 床矯正 インビザライン
治療期間 約1〜3年 約1〜2年
通院頻度 月1回 1〜2ヶ月に1回
装置交換頻度 調整により不定期 2週間ごと(自宅交換)
延長のリスク 装着時間不足・破損 装着時間不足・再作製あり
成功に必要な条件 成長期に開始・管理徹底 装着時間の自己管理

治療期間や通院の頻度は、学校行事や家庭のスケジュールに直結する要素です。長期的な視点で無理のない治療計画を立てるためにも、医師との相談のもとで、ライフスタイルに合った治療法を選択することが求められます。

装着時間・生活のストレス比較

床矯正とインビザラインでは、日常生活に与えるストレスや負担の質が大きく異なります。特に小児矯正においては、学校生活・睡眠・部活動といった日々のルーチンに支障が出るかどうかが、治療継続の鍵を握るポイントになります。

床矯正は、取り外し可能な装置でありながら、基本的には1日14〜20時間以上の装着が必要とされる治療法です。成長期の骨格拡大を目的としているため、顎の成長に合わせて継続的な装着が求められます。そのため、学校での授業中はもちろん、家庭での勉強時間や就寝時も装着していることが理想です。しかし、この装置はプラスチックと金属でできた比較的大きな構造のため、話しにくさや違和感、食事中の着脱といった煩雑さがあり、生活の質に影響を及ぼすことも少なくありません。

一方で、インビザラインは透明なマウスピース型矯正装置で、1日20時間以上の装着が推奨される点は床矯正と同様ですが、その装着感は非常に軽く、発音や会話への影響もほとんどないため、学校生活や部活動、友達との会話においてもストレスが軽減されます。また、食事や歯磨きの際には自由に取り外すことができるため、衛生的で管理しやすいのも大きな利点です。

特に中高生においては、部活や塾、友人関係など多忙な日常を送っており、装着のわずらわしさが継続の妨げとなるケースも見られます。床矯正では装置の金属部分が粘膜に擦れて痛みを感じることや、発音が不明瞭になることもありますが、インビザラインではそのようなトラブルは比較的少なく済みます。

以下の表に、装着時間と生活への影響をまとめました。

項目 床矯正 インビザライン
装着時間目安 14〜20時間 20〜22時間
会話への影響 大きい(発音しづらくなることあり) ほぼなし(自然に話せる)
食事への対応 食事中は外す必要あり 食事中は外す
睡眠中の快適さ 違和感あり(装置が大きい) 違和感少ない
ストレスの程度 高め(見た目・着脱の手間) 低め(見えにくく軽量)

このように、生活の中でどれだけ無理なく装置を装着できるかという点では、インビザラインの方が現代のライフスタイルに合っていると言えます。ただし、どちらの装置も「装着時間の確保」が絶対条件であり、それを守らないと治療効果は期待できません。矯正は長期にわたる治療であるため、ストレスの少ない選択肢を選ぶことは、継続的な通院とモチベーション維持に大きな意味を持ちます。

子どもが嫌がるのはどっち?保護者が知っておくべき実態

子どもの矯正治療では、親がどれだけ良い治療を選んだつもりでも、本人が嫌がって続けられなければ意味がありません。床矯正とインビザラインでは、子どもが装置に対して抱く不満やストレスの内容が異なります。どちらが子どもにとって受け入れやすいかを理解することは、治療成功の鍵になります。

床矯正は、装着時に違和感が強く、話しづらい、痛い、うまく食べられないといった訴えが多く寄せられます。特に慣れるまでの初期段階では、舌や粘膜に当たる部分が痛んだり、金属ワイヤーが擦れて口内炎を引き起こすこともあります。さらに、装着のわずらわしさから「つけたくない」「外したまま忘れる」といった事例も多く、保護者が日々の装着状況を管理しなければならない負担も発生します。

一方、インビザラインは装着感が軽く、透明で見た目のストレスが少ないため、本人が継続しやすい傾向にあります。ただし、マウスピースは簡単に取り外せる分、自己管理が必要であり、「つけ忘れる」「学校に置いてくる」といったトラブルも散見されます。また、成長期の子どもにとっては、正しい装着時間を守る意識が希薄なこともあり、装着時間不足による治療効果の低下が懸念されます。

子どもが嫌がる主な理由を以下のリストにまとめます。

床矯正で嫌がる理由

  • 装置が大きく、違和感が強い
  • 話しにくく、授業中に気になる
  • 着脱が面倒で、装着を忘れる
  • 痛みや不快感が強い

インビザラインで嫌がる理由

  • 自分で管理する必要があり、忘れることがある
  • 食事ごとに外すのが面倒
  • 成長に合わせた再作製が必要になることも

装置に対する嫌悪感やストレスは、矯正の成功に直結します。子どもの性格や生活スタイルを考慮し、「無理なく続けられる装置」を選ぶことが大切です。矯正治療は年単位で続くため、保護者と歯科医院が連携し、定期的に子どもの声を拾いながらフォローしていく体制も重要です。

床矯正の後悔・失敗例を知ってトラブルを防ぐ

骨格に合わない装置の選択

床矯正は顎の成長を利用して歯列の幅を広げる治療方法ですが、すべての子どもに適応するわけではありません。矯正治療の成功には、顎の骨格構造や成長パターンに応じた正確な診断と装置の選択が不可欠です。誤った選択をしてしまうと、治療後に歯並びが悪化したり、咬み合わせが崩れるといった深刻な結果につながることもあります。

例えば、成長がほとんど終了している中学生後半〜高校生の場合、床矯正では十分な顎の拡大が得られないケースが多く、治療効果が限定的になります。このような状態で無理に装置を使用すると、歯列に余計な力が加わってしまい、逆に歯の位置が乱れたり、前歯が突出する「出っ歯」状態になることがあります。

また、上顎の成長が著しく少ない「骨格性下顎前突」の場合には、床矯正では対応しきれないことがあり、インビザラインや外科的治療を視野に入れた総合的な治療計画が必要になります。歯並びだけを見て装置を選ぶのではなく、骨格レベルでの成長予測を含めた診断が求められます。

以下は、装置選択ミスによるリスクの比較です。

リスク項目 誤った装置選択による結果
出っ歯の悪化 上顎が過度に拡大され、前歯が前方に押し出される
咬み合わせの不調和 上下の歯列のバランスが崩れ、噛みにくくなる
顎関節への負担 誤った力が顎にかかり、開口障害や痛みを伴う場合も
治療の長期化・再治療 一度治療を中止し、ワイヤー矯正などに変更が必要
保護者の精神的ストレス 結果が出ないことによる焦りや不安が生じやすい

治療を始める前に、成長期の見極め、骨格の形態、顎の成長方向などを詳細に分析し、床矯正が本当に適しているかを確認することが重要です。小児矯正に強い専門医院での診断を受けることで、後悔のリスクを大幅に軽減できます。

装着時間を守れなかった場合のリスク

床矯正において、治療の成否を大きく分けるのが「装着時間」です。取り外し可能な装置であるがゆえに、決められた時間をきちんと装着できなければ、期待する効果は得られません。特に小学生から中学生の子どもは、生活リズムが不規則で自己管理が難しい場合もあり、保護者の協力が不可欠です。

一般的に、床矯正は1日14時間以上、できれば20時間程度の装着が推奨されています。しかし、装着時間を守れなかった場合、以下のような問題が生じます。

  • 顎の拡大が十分に行われず、スペースが確保できない
  • 歯が移動中に戻ってしまい、治療が後戻りする
  • 予定よりも治療期間が長くなる
  • 再作製が必要になり、費用がかさむ
  • 症例によっては完全に効果が出ない

次の表に、装着時間と治療効果の関係をまとめました。

装着時間(1日) 治療効果の目安 リスク
20時間以上 最も効果的。予定通りに進行 最小限
14〜19時間 効果あり。ただし遅れが出る 期間延長・再調整が必要になる場合あり
10〜13時間 効果が出づらい 後戻り・再治療の可能性が高まる
10時間未満 治療効果ほぼなし 治療中止・失敗例多数

また、学校や部活、習い事などの影響で装着時間を確保できないケースもあります。このような場合は、インビザラインのように装着感が軽く、目立たない装置を選ぶことで、装着時間の確保がしやすくなるケースもあります。とはいえ、どんな装置でも「自発的に装着する意識」がないと成功にはつながりません。

保護者ができる工夫としては、子どもが装着する時間を一緒に管理したり、装着を忘れた日は記録するなどのサポートがあります。また、毎月の診察時に装着状況を記録し、医院でしっかりフィードバックしてもらうことで、本人の自覚も芽生えていきます。

失敗例・成功例の写真から見る結果の違い

床矯正に限らず、矯正治療全般において治療前後の写真は非常に重要な参考資料です。ビフォーアフターを見ることで、装置の適応が成功したケースと失敗したケースを視覚的に理解することができます。

成功例では、歯列が左右対称に整い、出っ歯や叢生(歯が重なっている状態)が改善されていることが確認できます。また、上顎の拡大により永久歯の萌出スペースが確保され、正しい位置に生え揃っているのが特徴です。

一方で、失敗例の写真では以下のような兆候が見られます。

  • 上下の歯列の中心がずれている
  • 出っ歯がさらに前に出てしまっている
  • 奥歯の咬み合わせが合わなくなっている
  • 歯の隙間が不自然に広がっている
  • 顎の左右非対称が強調されている

失敗例が発生する要因には、装置の選定ミス、装着時間の不足、成長予測の誤り、保護者と医院の連携不足など、複数の要素が絡みます。写真だけを見て判断するのではなく、原因をしっかり分析することが重要です。

以下に、治療前後の比較における主な観察ポイントを表に整理します。

比較項目 成功例の傾向 失敗例の傾向
歯列の整列 歯がきれいに並び左右対称 でこぼこ・隙間が不自然
出っ歯の状態 改善されて後退 前方へさらに突出
咬み合わせ 上下の歯が適切に咬み合う 上下の中心線がずれて咬み合わせが悪化
顎の形状 左右バランスが整っている 顎がゆがんで見える、左右非対称
永久歯の配置 スペース確保され正しい位置に生えている スペース不足で叢生、または隙間が広がる

写真の活用は治療の進捗管理にも効果的で、定期的に経過を記録し、問題が早期に発見できれば再調整も容易になります。床矯正においては、装置の使用状況が結果に直結するため、継続的に変化を視覚化しながら進めていくことが治療成功の鍵です。

インビザラインが合わない子の特徴とは?おすすめしないケースを解説

成長期に骨格が大きく動く場合の注意点

子どもの矯正治療において「インビザライン」が常に最適な選択肢であるとは限りません。特に成長期の小児では、骨格の急激な発達に伴って歯列や顎の形が変化するため、矯正方法の選定には慎重さが求められます。インビザラインは歯の移動には適していますが、骨格そのものを広げる「拡大」機能は持っていないため、骨格性の問題を抱える子どもには不向きな場合があります。

具体的には、上顎の幅が狭い「狭窄歯列」や、上下の顎の大きさのバランスが崩れている「骨格性反対咬合(受け口)」、または「出っ歯(上顎前突)」などの症状を持つ子どもに対しては、床矯正や拡大床を用いた治療が推奨されます。これらの症状は成長のピーク時期(おおよそ6~12歳)に骨格からアプローチすることで根本的な改善が可能になるため、透明マウスピースであるインビザラインのみでは、対応しきれないことがあります。

インビザラインが向かない具体的なケースを整理すると、以下のようになります。

特徴 推奨されない理由
顎の骨が未発達で狭い 拡大機能がないため、スペース確保が困難
上下の顎の位置バランスが悪い 骨格性問題はマウスピースでは解決困難
急激な成長期に入っている 治療計画が頻繁に狂いやすく、予測通りに進みにくい
遺伝的に重度の歯列不正 外科的介入や骨格治療が必要になるケースも

治療の選択には、骨格の発達状況の正確な診断が不可欠です。矯正歯科では、セファログラムやCTを用いた成長予測や診断を行い、歯の位置だけでなく顎骨の状態を総合的に分析する必要があります。

装着時間不足によるトラブル例と親のサポート方法

インビザラインは見た目が自然で取り外しも可能なことから、多くの親御さんに支持されている矯正方法ですが、「継続的な装着」が前提条件であるため、子ども本人の協力度によって治療結果が大きく左右されます。

1日に20時間以上の装着が推奨されているにもかかわらず、つけ忘れや自己判断による取り外しが続くと、歯が計画通りに動かず、治療効果が薄れます。特に小学生や中学生のような年齢層では、装着を忘れる頻度が高く、親の見守りが不十分だと失敗リスクが一気に上昇します。

代表的なトラブル例は以下の通りです。

トラブル例 発生原因 対応策
歯が動いていない 装着時間が短い 毎日チェックリストで確認
アライナーが合わなくなる 前回のステップが完了していない 装着時間を再確認しリカバリプランを依頼
つけ忘れ癖がつく 学校や外出時の装着が難しい 保護者が起床時・就寝時に声かけ

また、アライナーの管理にも注意が必要です。紛失や破損が起きた場合には再作成が必要となり、追加費用や時間がかかるケースもあります。治療開始時にお子様の生活リズムや性格、学校での生活環境を加味して「自己管理が可能かどうか」を判断することが、治療成功のカギとなります。

親のサポートとしては、装着確認表を冷蔵庫や部屋に貼り、朝夕のチェックを習慣化する、学校用の専用ケースを常備させるなどの工夫が効果的です。お子様が自分で管理できるようになるまでは、家庭全体でのサポート体制が必要です。

インビザラインは「手軽な装置」ではなく、「ルールを守ることで初めて効果を発揮する治療法」であるという意識を持つことが成功の第一歩です。

拡大床とインビザラインの併用が必要なケース

インビザラインと拡大床の併用は、成長期のお子様の矯正治療において非常に理にかなった方法とされています。特に、上顎の幅が狭く永久歯が並ぶスペースが足りない「叢生タイプ」の子どもには、拡大床による骨格の拡張を先に行い、その後インビザラインで歯列を整える流れが効果的です。

このアプローチの最大の利点は「骨格形成と審美的改善の両立」です。拡大床は成長期の骨の柔らかさを利用して顎の幅を拡げることで、歯が並ぶスペースを物理的に確保します。そして、拡大後の歯の位置調整や細かな仕上げには、インビザラインの透明アライナーが最適です。

併用が効果的な症例には以下のようなものがあります。

症例タイプ 初期治療 仕上げ
上顎の狭窄 + 軽度の叢生 拡大床 インビザライン
永久歯が並びきらないスペース不足 拡大床 インビザライン
前歯の反対咬合(軽度) 拡大床 + 口腔筋機能訓練 インビザライン

重要なのは、拡大床だけでは「見た目の歯並び」を整えるところまでは難しいという点です。骨格は広がっても歯の位置が不揃いなままでは、見た目やかみ合わせの完成度に影響します。そのため、インビザラインによる歯列調整を追加することで、理想的な見た目と機能の両立が可能になります。

この治療ステップは以下のような流れになります。

  1. 初診(成長評価とレントゲン診断)
  2. 拡大床による数ヶ月〜1年の骨格拡大
  3. 拡大完了後、歯列の変化を精査
  4. インビザラインの型取り・装着開始
  5. 仕上げ矯正とメンテナンス

まとめ

床矯正とインビザラインは、どちらも小児期の歯並びやかみ合わせの問題を改善するために使われる矯正方法ですが、適応する年齢や骨格、生活スタイルに大きな違いがあります。とくに成長期の骨格的な問題に対応するには、床矯正のように顎を物理的に広げる装置が必要となるケースも多く見られます。

一方、インビザラインは透明なマウスピース型矯正装置で、見た目の自然さや装着の快適さから選ばれることが増えてきました。ただし、インビザラインは取り外しが可能である分、装着時間の自己管理が不可欠です。実際に矯正専門の歯科医院では、マウスピースを適切に装着できなかったことで治療期間が延びたり、十分な効果が得られなかったという例も報告されています。

また、最近では拡大床で骨格を先に整えた上で、歯列調整はインビザラインで行うといった併用治療も取り入れられています。この方法により、それぞれの矯正法のメリットを活かしつつ、個々の成長パターンや症例に合わせた最適な治療が可能になります。

保護者としては、装置の費用や装着期間、子どもが嫌がらずに続けられるかといった不安もあるでしょう。ですが、専門の矯正歯科でしっかりと診断を受け、治療方法を選ぶことが最も重要です。記事内でも紹介したように、症例に応じた選択をすることで「やらなきゃよかった」と後悔するリスクを減らすことができます。

最終的にどちらが適しているかは、子どもの成長段階や生活習慣、性格まで考慮する必要があります。自己判断せず、信頼できる矯正歯科で複数の治療プランを比較検討しながら、長期的な視点で最適な選択をしていくことが成功への近道です。

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クリニックでは、一般歯科、口腔外科、小児歯科、矯正歯科、審美治療、予防歯科など幅広い診療科目をご提供しており、患者様の様々なニーズに応えることが可能です。特に、痛みの少ない治療、ホワイトニング、小児矯正など、患者様の快適さを重視した治療法をご提供しています。
患者様の健康と笑顔を守るために、スタッフ一同が全力でサポートいたします。

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よくある質問

Q. 見た目が気になる子にとっては床矯正とインビザラインどっちが良いですか?
A. 審美性を重視するならインビザラインが圧倒的に有利です。透明なマウスピース装置は学校生活や写真撮影でも目立ちにくく、本人の心理的負担も軽減されやすいのが特長です。一方、床矯正は大きな装置を使用するため、会話や食事時に違和感が出やすく、人前で装着するのを嫌がる子もいます。特に思春期前後の子どもには見た目がモチベーションに大きく関わるため、装置の審美性を比較材料に加えることは重要です。

Q. 矯正を途中でやめたらどうなりますか?装置が合わないと感じたときの対処法も知りたいです
A. 床矯正やインビザラインを途中で中断すると、歯列の後戻りやかみ合わせの悪化が起こる可能性があります。とくに床矯正は装着時間を守らなかったケースで「出っ歯が悪化した」「顎が片側だけ広がった」といった症例報告も存在します。装置が合わない、違和感が強いと感じた場合は、無理に続けず、早めに矯正歯科で再評価を受けることが大切です。最近では拡大床+インビザラインの併用という方法で違和感を軽減しながら効果を出すケースも増えており、専門医による柔軟なプラン設計が可能です。

Q. 忙しい家庭でもインビザラインで矯正は続けられますか?サポート面が不安です
A. インビザラインは月1回以下の通院で管理できるため、共働きや多忙な家庭にも向いています。ただし、マウスピースは1日20時間以上の装着が必要で、子ども自身の自己管理能力が成功の鍵になります。そのため、保護者のサポートが欠かせません。通学前の装着チェックや、学校での食事後に再装着できているかの確認など、日常生活の中で小まめなフォローが必要です。サポートが難しい場合は、就寝時のみ装着するプレオルソなど、ライフスタイルに合わせた矯正法を選ぶのも一つの手段です。

医院概要

医院名・・・ さいわいデンタルクリニック札幌大曲
所在地・・・〒061-1278 北海道北広島市大曲幸町6丁目1 インターヴィレッジ大曲
電話番号・・・ 011-375-7653

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