さいわいデンタルクリニック札幌大曲は、患者様一人ひとりの笑顔を大切にし、その笑顔が持続することを目標としています。信頼関係の構築と妥協のない治療を約束しており、患者様の負担を軽減するために最新の設備を導入し、予約時間通りの診察を心がけています。
クリニックでは、一般歯科、口腔外科、小児歯科、矯正歯科、審美治療、予防歯科など幅広い診療科目をご提供しており、患者様の様々なニーズに応えることが可能です。特に、痛みの少ない治療、ホワイトニング、小児矯正など、患者様の快適さを重視した治療法をご提供しています。
患者様の健康と笑顔を守るために、スタッフ一同が全力でサポートいたします。
お知らせ

「プレオルソは筋肉を鍛える?」「床矯正は歯列を広げる?でもそれってどう違うの?」
このように矯正装置の違いや目的を正確に理解しないまま選んでしまうと、せっかくの成長期に効果を最大限に引き出せないこともあります。
プレオルソは、成長期のお子さまの口呼吸・舌の位置・かみ合わせといった機能改善に着目した“機能訓練型”のマウスピース矯正。一方で床矯正は、顎の幅を物理的に広げて永久歯の生えるスペースを確保する“拡大型”の装置です。見た目が似ていても、その目的や使用方法、得られる効果はまったく異なります。
特に5歳から12歳という小児期は、歯並びや筋肉の成長に大きく関わる重要な時期。矯正歯科でも診療時に判断を誤れば、かえって後戻りのリスクや装置の再設計が必要になることもあるのです。
この記事では、プレオルソと床矯正、それぞれの治療の仕組みや装置構造、装着方法、そして矯正歯科の現場で実際にどのように使い分けられているかを、専門的かつ丁寧に解説しています。

院名 | さいわいデンタルクリニック札幌大曲 |
---|---|
住所 | 〒061-1278北海道北広島市大曲幸町6丁目1 インターヴィレッジ大曲 |
電話 | 011-375-7653 |
プレオルソと床矯正の違いとは?仕組み・目的・治療方針を根本から理解する
プレオルソと床矯正の治療目的の違い
小児の歯並びや噛み合わせの改善を目的とする矯正治療は、成長期の子どもにとって極めて重要な医療分野です。中でも注目されているのがプレオルソと床矯正ですが、この二つは「治療の目的」に明確な違いがあります。プレオルソは「筋機能訓練による自然な成長誘導」を主眼とした治療法であり、床矯正は「物理的に歯列のスペースを拡大すること」が目的の治療法です。つまり、根本的なアプローチが異なるため、子どもの症状や成長段階に合わせて選択する必要があります。
プレオルソの最大の特徴は、子どもの口腔周囲筋(舌、口唇、頬筋など)の正しい使い方を訓練することで、自然な顎や歯列の成長を促す点にあります。特に、口呼吸、舌突出癖、開咬、受け口などの筋機能性の問題を原因とする歯列不正に効果を発揮します。この治療法は、装置をただ使うのではなく、「子ども自身の筋肉をトレーニングする」という意識改革を伴うのが特徴です。装着時間は基本的に就寝時と日中1時間程度であり、学校生活や食事、発音への支障が少ない点も支持されています。
一方、床矯正は歯の生えるスペースが足りないことによる歯列不正、いわゆる叢生や出っ歯に対応する治療法です。歯列の幅を物理的に広げる「拡大ネジ」が組み込まれた取り外し可能な装置を使って、上下の歯列弓を広げ、永久歯が正しい位置に並ぶスペースを確保します。このため、床矯正は「骨の成長を先導する装置的アプローチ」であり、成長期の骨の柔軟性を最大限に活かして行う治療です。
プレオルソは主に5歳から8歳くらいの低年齢層に向いており、筋機能訓練によって自然な成長を誘導したい時期に効果的です。一方、床矯正は6歳以降の混合歯列期に適しており、特に前歯の並びや下顎の狭窄など、スペース不足によるトラブルを物理的に解決する目的で導入されます。
以下のように、治療目的を比較することで両者の選択基準が明確になります。
表)プレオルソと床矯正の治療目的の違い
項目 | プレオルソ | 床矯正 |
主な目的 | 筋機能訓練による自然な顎の成長促進 | 歯列スペース拡大による歯の並び改善 |
適応症 | 口呼吸・受け口・出っ歯・舌癖など | 叢生・前歯の重なり・顎の狭窄 |
適応年齢 | 5歳〜8歳 | 6歳〜12歳 |
治療期間 | 半年〜1年半 | 1年〜2年 |
装着時間 | 日中1時間+就寝時 | 原則14時間以上 |
治療目的が明確であればあるほど、子どもにとって最適な矯正治療を選びやすくなります。親が感覚的に選ぶのではなく、医師との十分なカウンセリングと正確な診断を通じて、子どもの将来の噛み合わせと口腔機能を見据えた治療を選ぶことが求められます。
プレオルソと床矯正の仕組み・装置の違い
プレオルソと床矯正は、見た目がまったく異なる装置を使うだけでなく、装置の仕組み・素材・装着方法・管理方法においても大きな違いがあります。この違いを理解することは、保護者にとって矯正治療の成功に不可欠な判断材料となります。
プレオルソは、軟らかい医療用シリコンでできたマウスピース型の矯正装置です。上下の歯列を同時に覆う「上下一体型」の構造をしており、主に夜間就寝時と日中1時間の装着が推奨されています。最大の特徴は、口腔周囲筋のバランスを整えるための形状設計にあり、舌の位置・口唇の閉鎖・呼吸のパターン(口呼吸から鼻呼吸へ)など、機能的な改善を目的としています。この装置は子どもが自分で簡単に着脱でき、歯磨きや食事の際には外すことができる点が非常に便利です。
一方の床矯正装置は、硬質のプラスチック製プレートに金属の拡大ネジが内蔵されており、一定期間ごとにネジを回すことで少しずつ歯列を押し広げていきます。下顎用・上顎用に分かれており、片顎ずつの装着が基本です。こちらも取り外し式ですが、効果を出すには1日14時間以上の装着が必要とされており、就寝時だけでなく日中も長時間装着しなければなりません。そのため、継続的に使えるかどうか、子どもの性格や生活リズムに応じた対応が求められます。
装置の比較を以下のように整理すると、保護者が現実的な運用のしやすさや適合性を判断しやすくなります。
表)プレオルソと床矯正の装置構造と運用の違い
項目 | プレオルソ | 床矯正 |
装置の素材 | 医療用シリコン | 硬質プラスチック+金属ネジ |
構造 | 上下一体型マウスピース | 片顎ずつのプレート型 |
装着時間 | 就寝時+日中1時間 | 14時間以上 |
管理のしやすさ | 洗いやすく、着脱が簡単 | ネジの調整や管理に親のサポートが必要 |
装着感 | 柔らかく、違和感が少ない | 固定感が強く、違和感を感じやすい |
装着による発音や食事 | 発音への影響が少ない | 発音・食事への影響が出やすい |
床矯正(拡大床)とは?プレート式の矯正法の仕組みと役割を徹底解説
床矯正の拡大メカニズムと対象年齢
床矯正(拡大床)は、小児矯正の中でも比較的古くから用いられてきた治療法であり、歯がきれいに並ぶためのスペースが足りない場合に、顎の幅を拡げてそのスペースを確保することを目的としています。装置は取り外し可能なプレート状で、中央に「拡大ネジ」が搭載されており、このネジを一定間隔で回すことで少しずつ顎の骨を拡張する構造となっています。
この仕組みは、成長段階にある子供の柔軟な骨格を利用して、無理なく歯列のアーチを広げることができる点が大きな特徴です。矯正力を加えるというよりは、成長をコントロールしながら適正なスペースを確保するための「誘導装置」としての役割を果たします。
適応する年齢は概ね6歳から12歳の間、つまり混合歯列期が理想とされています。なぜなら、乳歯と永久歯が混在するこの時期は、顎骨の柔軟性が高く、矯正に対する反応が良好だからです。永久歯が生え揃った後では顎の成長が止まり、床矯正の効果は大幅に減少します。
装置は主に上顎用と下顎用に分かれ、症状に応じて片顎のみ、あるいは両顎に装着します。以下は、床矯正の基本構造と作動原理の解説です。
表)床矯正(拡大床)の基本構造と作用
項目 | 内容 |
材質 | 硬質プラスチック+金属ワイヤー/スクリュー |
装着部位 | 上顎、下顎または両方 |
構造 | 拡大ネジが中央に組み込まれたプレート型装置 |
装着方法 | 1日14時間以上が推奨 |
作動機構 | 拡大ネジを週に1~2回回して歯列幅を少しずつ広げる |
適応年齢 | 6歳~12歳が最も効果的な時期 |
適応症例 | 叢生、上顎狭窄、交叉咬合、永久歯のスペース不足 |
床矯正は、装置の扱いや装着習慣の定着に保護者の協力が不可欠です。成長期の子供にとって、14時間以上の装着が必要であるという事実は、生活習慣や家庭環境に大きく左右されるため、矯正開始前には生活リズムの見直しが必要です。また、装置の紛失・破損リスクがあるため、取り扱いには注意が求められます。
床矯正のメリットとリスク後悔しないための理解ポイント
床矯正には大きなメリットがある一方で、使用方法を誤ると期待した結果が得られず、治療が失敗したと感じるケースもあります。治療に踏み切る前に、その利点と注意点を正確に理解しておくことが重要です。
まずは、床矯正の主なメリットを整理します。
リスト)床矯正のメリット
- 顎の成長を活用した自然な矯正が可能
- 将来的な抜歯矯正を回避できる可能性がある
- 費用が比較的安価で経済的負担が少ない
- 装置の取り外しが可能で衛生的に管理できる
- 上下のバランスを整えることで咬合改善に寄与する
この治療法の魅力は、成長期の骨格の可塑性を活かし、無理なく歯列を広げられる点にあります。また、将来的な本格矯正に移行した場合でも、前段階としてスペースを確保できていれば、ワイヤー矯正の期間や難易度を軽減できるという利点があります。
一方、保護者や当事者が事前に認識しておくべきリスクも存在します。
リスト)床矯正の主なリスク・デメリット
- 装着時間が不十分だと効果が得られない
- 拡大のしすぎによるかみ合わせの乱れ
- 装置の取り扱いミスによる破損や変形
- 成長が終わった後に戻ってしまう後戻りリスク
- 見た目や発音への一時的な違和感
特に「後悔した」とされる声の多くは、「子供が嫌がって装着を続けられなかった」「装着時間を守れなかった」「拡大量が適切でなかった」というパターンに集中しています。これらは治療失敗というよりは、正しい運用と環境整備がなされなかったことによる「管理ミス」とも言えます。
以下に、成功例と失敗例の比較を整理しました。
表)床矯正の成功例と失敗例の比較
評価項目 | 成功例 | 失敗例 |
装着時間 | 毎日14時間以上を守り習慣化されている | 就寝時のみ、または装着忘れが頻発 |
保護者の関与 | 日々の管理、ネジ調整の記録、声かけあり | 子供任せで管理が甘く、トラブルに気付かない |
医院のサポート | 定期チェックと丁寧な説明、装置調整が的確 | 装置の不具合や違和感への対応が遅れる |
症例の適応性 | 顎の成長期にあり、適応症に合致 | 成長が進んでおり骨格拡大が不十分 |
経過管理 | 毎回の通院で経過確認を記録し、写真でも管理 | 装置をつけているだけで経過記録が取れていない |
このように、床矯正は「効果がない」「意味がない」と言われるケースの多くが、そもそも適応年齢を外れていたり、運用が不十分だったりすることが原因であることが分かります。治療を成功させるには、医院選びだけでなく、子供と保護者が一体となって正しい装着習慣を築くことが不可欠です。
床矯正は、決して万能ではありませんが、適切な時期と管理体制のもとで行えば、顎の発育をサポートし、将来的な矯正治療をよりスムーズにするための有力な選択肢です。重要なのは、装置そのものの性能ではなく、治療方針・家庭の協力度・医院のサポートが総合的に機能しているかどうかにかかっています。
プレオルソ・床矯正・インビザラインの違い!3大矯正法を完全比較
構造・治療対象・装着時間で見る3方式の違い
矯正装置3方式の基本比較表
矯正方式 | 構造の種類 | 主な治療対象 | 装着時間の目安 | 対応年齢の目安 |
プレオルソ | シリコン製マウスピース | 口呼吸・出っ歯・受け口・舌癖の改善 | 就寝時+日中1時間 | 3歳〜12歳(混合歯列期) |
床矯正(拡大床) | レジンプレート+拡大ネジ | 顎の骨格拡大・永久歯のスペース確保 | 就寝時+日中数時間 | 5歳〜13歳(成長期) |
インビザライン | ポリウレタン透明トレー | 歯列の位置移動・見た目の改善 | 1日20時間以上装着必要 | 10歳以上(永久歯列期〜成人) |
プレオルソの特徴と治療対象
プレオルソは小児の口腔機能を整えるマウスピース型装置です。素材はやわらかいシリコンで、お子さまが違和感なく装着しやすい設計になっています。目的は「歯を動かす」のではなく、舌・頬・口唇の筋肉バランスを整え、正しい噛み合わせや呼吸を自然に誘導することです。代表的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- 軽度の出っ歯(上顎前突)
- 受け口(下顎前突)
- 口呼吸・鼻呼吸の切り替え不足
- 舌の突出癖、飲み込み癖(嚥下異常)
「筋機能訓練」としての側面が強いため、プレオルソは成長期における予防的アプローチとして非常に効果的です。矯正歯科では、かみ合わせ・呼吸・嚥下・姿勢まで一体的に診ることで、長期的な歯列安定を実現します。
床矯正の特徴と治療対象
床矯正(拡大床)は、プレートに埋め込まれた拡大ネジを調整することで、顎の骨を水平方向に広げる装置です。歯列が狭く永久歯が正しく生えるスペースが不足している子どもに効果的です。成長期に使うことで、歯を抜かずに顎全体を育てるという方針がとられます。
症状の一例は以下の通りです。
- 叢生(ガタガタした歯並び)
- 左右の顎のズレ(交叉咬合)
- 出っ歯(上顎前突)
- 下顎の後退(反対咬合)
治療効果は高いものの、「ネジの調整が必要」「発音がしづらい」「学校で外す必要がある」など、お子さまの協力度合いが成果に直結します。保護者の協力と通院ごとの調整管理が必須です。
インビザラインの特徴と治療対象
インビザラインは透明なマウスピースを1〜2週間ごとに交換しながら歯列を少しずつ動かしていく方法です。プレオルソや床矯正とは異なり、永久歯が生え揃った後の本格的な歯列移動を目的としています。
適応する症例は以下の通りです。
- 前歯の軽度な隙間(空隙歯列)
- 歯列全体の乱れ
- 後戻り矯正(過去の矯正後の再治療)
- 審美目的での歯列整列
見た目が目立たず、通院回数が比較的少なく済むため、思春期のお子さまや社会人にも人気です。一方で、装着時間を守らないと効果が出ない・費用が高いというデメリットもあります。使用者の自己管理能力が求められる点が、子どもへの導入においては慎重な判断を要します。
見た目・通院頻度など日常生活への影響比較
矯正方式ごとの生活影響・見た目 比較表
比較項目 | プレオルソ | 床矯正(拡大床) | インビザライン |
見た目 | 装着中でも目立たない | 装置によっては目立つ | ほぼ透明で目立たない |
発音への影響 | 少なめ | 大きめ(プレート干渉あり) | 少なめ(慣れが必要) |
食事への影響 | 食事中は外す | 外して食べる必要あり | 外して食べる必要あり |
スポーツ/楽器 | 取り外し可能で対応しやすい | 外す手間があるが対応可能 | 外すことで問題なく対応可能 |
通院頻度 | 月1回〜2ヶ月に1回程度 | 月1回+ネジ調整あり | 1〜2ヶ月に1回、遠隔管理も可 |
装着時間の管理 | 親のサポートが重要 | 本人+保護者の管理が必要 | 本人の自己管理能力が必要 |
見た目・発音・学校生活への影響の違い
矯正中に「友達に気づかれるかどうか」「発音が変になるのか」といった不安は、多くのお子さまに共通しています。プレオルソとインビザラインは透明または目立たないデザインで、発音や見た目への影響が少ないのが特長です。一方、床矯正はプレートが大きく発音が不明瞭になるケースもあり、授業中や発表の場では外すよう指導されることもあります。
また、食事面では3方式すべて取り外し式であり、食べ物が装置に詰まることを避けられますが、管理のしやすさや装着忘れリスクの差がポイントとなります。プレオルソは装着時間が短く、子供にも比較的続けやすい一方、装着時間が短いために効果を感じにくいという声もあります。インビザラインは日中20時間以上の装着が必要で、自己管理が苦手なお子さまには負担が大きくなることもあるため、保護者の観察と声掛けが重要です。
通院・サポート体制の違い
通院頻度も比較における大きな判断材料の一つです。プレオルソとインビザラインは基本的に月1回〜2ヶ月に1回の通院で済みますが、床矯正はネジの調整などの管理が必要なため、比較的通院が多くなる傾向にあります。
また、インビザラインは一部クリニックで「遠隔モニタリング」にも対応しており、共働き家庭や地方在住者にとって利便性が高い方法となっています。
生活全体に与える印象評価
項目 | プレオルソ | 床矯正(拡大床) | インビザライン |
管理のしやすさ | ◎ | △ | ○ |
お子さまの負担 | ○ | △ | △ |
保護者の関与度 | 高 | 高 | 中〜高 |
学校生活との両立 | ◎ | △ | ○ |
運動・音楽活動 | ◎ | ○ | ◎ |
3方式は、治療効果や構造面での違いだけでなく、「家庭環境」「本人の性格」「保護者の管理方針」まで含めて選択すべき装置です。どの装置がベストかを一概に決めることはできませんが、本記事のように生活の質や通院負担まで比較することが、後悔しない矯正選びへの近道となります。
年齢別に見る適した矯正法の選び方!10歳・12歳でも間に合う?
5〜8歳の初期治療に適した矯正法
幼少期における矯正治療の目的は、永久歯が生える前の段階で「成長の流れ」をコントロールし、将来的な重度の不正咬合や口腔機能障害を予防することにあります。5歳から8歳という年齢は、歯列や顎の骨の成長が活発で、環境要因の影響を受けやすい時期です。この段階では、装置で歯を動かすのではなく、「筋肉・舌・姿勢・呼吸」といった機能の改善を促すことが非常に重要とされます。
その代表的な矯正装置が「プレオルソ」や「ムーシールド」です。これらは「マウスピース型」の機能訓練装置であり、口腔周囲筋や舌の位置、呼吸習慣の改善を通じて、将来的な歯列の整備や顎の正しい発育を促します。いわば“歯を動かす矯正”ではなく“歯並びの土台を整える予防的矯正”なのです。
以下は代表的な装置の比較表です。
装置名 | 対象年齢 | 主な目的 | 形状 | 装着時間 | 特徴 |
プレオルソ | 5〜10歳 | 舌癖・口呼吸の改善 | シリコン製 | 就寝時+在宅時 | 筋機能療法。習慣づけで歯列が安定 |
ムーシールド | 5〜7歳 | 受け口の早期改善 | 軟性プラスチック | 就寝時中心 | 前歯部をガードし下顎の成長を抑える |
プレオルソは柔らかい素材で作られており、子供でも違和感が少なく継続しやすい設計になっています。一方、ムーシールドは反対咬合(受け口)に特化しており、早期使用により自然な咬合への誘導が可能です。
ただし、これらの装置は「装着の習慣化」が非常に重要です。保護者の協力が不可欠であり、毎日決まった時間に使わせる習慣を育む必要があります。また、効果には個人差があり、舌癖が強い場合や鼻呼吸が身につかない場合には成果が出にくいこともあるため、矯正歯科での定期的なフォローアップが求められます。
疑問としてよくあるのは、
- 「5歳から矯正って早すぎないの?」
- 「永久歯が生えてからで間に合うのでは?」
- 「就寝中に装着させて寝苦しくないか?」
- 「どれくらいで効果が現れるのか?」
これらに対して、見解としては「早期に習慣づければ永久歯の乱れが防げる」ことが強調されます。さらに、プレオルソのような装置は痛みがなく、費用も比較的抑えられているため、初期段階の矯正に対する心理的・経済的ハードルも低いのが特長です。
2025年現在では、東京や神奈川などの都市圏を中心に、こうした「筋機能矯正」を標準導入している小児歯科が増えており、地方都市にも対応医院が広がっています。認定医制度や専門トレーニングを受けた歯科医を選ぶことが、失敗しない矯正の第一歩です。
9〜12歳の混合歯列期に効果的な選び方
9歳から12歳は、乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」にあたり、成長のピークを迎える直前の非常に重要なタイミングです。この時期は「顎の骨が柔軟」であるため、スペース不足や歯列の狭窄などに対して拡大矯正が最も効果的に働く時期でもあります。
この年代の代表的な矯正法としては、「床矯正(拡大床)」と「インビザライン・ファースト」などのマウスピース型移動矯正が選択肢に上がります。歯を抜かずに矯正したい保護者や、「痛み・見た目・通院頻度」に配慮したい家庭に支持されています。
代表的な装置比較は以下の通りです。
矯正法 | 概要 | 対象年齢 | 特徴 | 通院頻度 | 費用目安(目安) |
床矯正(拡大床) | ネジで顎を広げる | 7〜12歳 | 拡大による非抜歯矯正 | 月1回程度 | 約10〜20万円 |
インビザライン・ファースト | 透明マウスピース型 | 9〜12歳 | 目立たず取り外し可能 | 6〜8週に1回 | 約40〜50万円 |
床矯正は、「拡大ネジ」を回すことで少しずつ顎の骨を横に広げていきます。装置は主に就寝時や在宅中に装着し、食事時や歯磨きの際には取り外しが可能です。一方、インビザラインは複数の透明マウスピースを段階的に交換し、歯の位置を移動させていきます。審美性と快適性が高いため、本人のモチベーション維持に有効です。
保護者や子供が感じやすい不安には以下のようなものがあります。
- 「痛みはあるのか?」
- 「取り外しを忘れたら効果が出ない?」
- 「成長が早いと追いつかないのでは?」
- 「学校生活に支障は出ないか?」
床矯正は基本的に痛みが少なく、装着時間を守ることで高い効果が見込めます。ただし、ネジの調整を怠ると後戻りの可能性があるため、通院と指導を継続することが重要です。インビザラインは審美的に優れている反面、自己管理が必要不可欠です。外したまま過ごす時間が長いと、計画通りに進まないリスクがあります。
費用の観点でも、床矯正の方が比較的安価に済む傾向があり、「まずは簡易的な対応を」と考える家庭には適しています。一方、長期的に審美性や快適性を重視する場合は、インビザラインの初期投資が将来的な後戻りリスクの回避にもつながることがあります。
通院先の選び方としては、専門医や矯正歯科認定医が在籍し、成長に合わせた柔軟な診療が可能なクリニックを選ぶのがポイントです。実際の治療例や、医院で扱う症例数、口コミ情報などを参考にすることが、満足度の高い矯正につながります。2025年の現在では、多くの医院が症例写真や治療方針をWebで公開しているため、比較検討もしやすくなっています。
まとめ
プレオルソと床矯正は、どちらも小児期に適した矯正装置として注目されていますが、その治療目的や仕組みには大きな違いがあります。
プレオルソは、筋機能訓練を通じて歯列や口腔環境を自然に整える「機能改善型」の装置です。就寝時や限られた時間の装着で、口呼吸から鼻呼吸への移行や舌の正しい位置づけ、歯列の改善などが期待されます。特に5歳から8歳の成長初期に適しており、骨格が柔らかい時期に装置を使うことで、将来的な抜歯やワイヤー矯正の回避に繋がるケースも少なくありません。
一方で床矯正は、歯列を物理的に広げて永久歯が正しく並ぶスペースを確保することを目的とした「拡大型」の装置です。9歳から12歳の混合歯列期に適用されることが多く、拡大ネジによって顎を徐々に拡げていきます。固定式と取り外し式があり、装着時間や管理のしやすさには家庭ごとの違いが出やすい点にも注意が必要です。
どちらの矯正装置も、それぞれの年齢・歯の生え変わり状況・口腔の成長段階に応じて選択することが重要です。効果的な治療を受けるためには、通院先の矯正歯科で正確な診断と説明を受けることが欠かせません。なお、公益社団法人日本矯正歯科学会でも「小児期の筋機能訓練と骨格的アプローチの併用が将来的な矯正成功率を高める」としています。
迷ったまま放置してしまうと、成長のタイミングを逃して矯正の難易度が上がったり、抜歯を前提とした治療が必要になることもあります。早期に違いを理解し、目的に合った方法を選ぶことが、お子さんの未来の歯並びと健康にとって大切な一歩です。
さいわいデンタルクリニック札幌大曲は、患者様一人ひとりの笑顔を大切にし、その笑顔が持続することを目標としています。信頼関係の構築と妥協のない治療を約束しており、患者様の負担を軽減するために最新の設備を導入し、予約時間通りの診察を心がけています。
クリニックでは、一般歯科、口腔外科、小児歯科、矯正歯科、審美治療、予防歯科など幅広い診療科目をご提供しており、患者様の様々なニーズに応えることが可能です。特に、痛みの少ない治療、ホワイトニング、小児矯正など、患者様の快適さを重視した治療法をご提供しています。
患者様の健康と笑顔を守るために、スタッフ一同が全力でサポートいたします。

院名 | さいわいデンタルクリニック札幌大曲 |
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よくある質問
Q. プレオルソと床矯正は何が決定的に違うのですか?それぞれの装置の仕組みや効果の出方が知りたいです。
A. プレオルソは筋肉や舌の位置、口呼吸の改善といった「機能的なトレーニング」によって歯列や顎の成長を促す装置で、特に小児の成長期に合わせた自然な誘導型の矯正です。一方、床矯正は拡大ネジを使って顎の骨を横に拡げ、永久歯が並ぶスペースを物理的に確保する方法で「構造的な力」による歯列の拡大が目的となります。装着時間や装置の固定性、対応できる症状にも違いがあり、たとえばプレオルソは就寝時メインの使用が可能ですが、床矯正は長時間の装着管理が必要になるケースが一般的です。
Q. プレオルソや床矯正は何歳から始めるのが最も効果的なのでしょうか?年齢による違いはありますか?
A. プレオルソは5歳から8歳の間にスタートするのが最も効果的とされています。これは口腔周囲筋や骨格の成長が著しい時期であり、プレオルソによる口呼吸改善や舌の正しい位置づけが無理なく習慣化しやすいためです。一方で床矯正は9歳から12歳の混合歯列期に適しており、永久歯の萌出状況を見ながら適切な拡大タイミングを図ることで、歯列のバランスを崩さず自然な歯並びへ導けます。開始時期のズレによっては装置の選択肢が変わる可能性があるため、専門の矯正歯科での診断が不可欠です。
Q. 装着方法や生活への影響が気になります。学校や習い事などで支障は出ませんか?
A. プレオルソは取り外し式であり、就寝時を中心に使用するため、日中の学校生活や運動、発音への影響が少ないのが特徴です。口呼吸や姿勢改善にもつながるため、習慣化できれば日常生活全体の質を高めることも可能です。床矯正は原則として日中も装着が必要で、慣れるまでは違和感や発音の変化を感じるお子さんもいます。ただし、多くの小児歯科や矯正歯科では段階的なトレーニングや装着時間の工夫を取り入れており、適応できるケースが多数報告されています。
Q. それぞれの矯正法は後戻りのリスクや長期的な影響がありますか?将来的に追加の治療が必要になる可能性は?
A. プレオルソは正しい呼吸や舌の位置など「習慣」を軸に歯並びや骨格へアプローチするため、継続的に使い続けることで後戻りのリスクを抑えられるという利点があります。ただし、装着の中断や口呼吸が再発した場合は効果が弱まる可能性があります。床矯正は歯列のスペース確保において一定の拡張効果が見込まれますが、成長の進行や歯の移動状況によっては後のワイヤー矯正やリテーナーの使用が必要になる場合もあります。いずれの装置も、成長に応じた再評価とメンテナンスが大切です。
医院概要
医院名・・・ さいわいデンタルクリニック札幌大曲
所在地・・・〒061-1278 北海道北広島市大曲幸町6丁目1 インターヴィレッジ大曲
電話番号・・・ 011-375-7653